スタイリスト木津明子の【こども食堂】全てのお母さんたちに「頑張ってエライで賞」を!

木津明子の子ども食堂日記vo.41「お母さん、キレる寸前スイッチが欲しい!」
まずはこの日記の主である木津明子(きづあきこ)の自己紹介を。スタイリストとして働きながら子ども食堂を運営する2児の母です。私は【こども食堂レインボー】がある横浜市磯子区の洋光台駅という町で育ちました。スタイリストのアシスタントを始めたころも、1時間ほどかけこの街から都内へ通っていました。アシスタント期間の途中から都内へ引っ越し、8年ほど東京住まいでしたが、長女(現在中3)を出産後に地元である洋光台へ再び戻ってきました。そしてこの街に恩返しをしたいという気持ちで、3年前に子ども食堂を開いたというワケです。
そんな食堂の様子をお伝えしているこの連載ですが、今回は食堂の報告はちょっとお休みして、お母さんとして、私が最近思うことをつらつらと綴らせていただきます。
今の時代の子育てと、昔私たちが育ってきた環境の違いが大きいな、としみじみ思うここ最近。昔は今当たり前にあるようなものの多くが「なかった」。今の中学生はスマートフォンを持つのが普通のようだし(私の気持ちとしては、高校生からでいいと思うのだが)、タブレットを使いこなすし、小学生から通塾する子も多い。
いつまで経ってもなかなか時間の管理のできない子どもたちに「お風呂に入りなさい」の声かけをしたり、最近では5年生までは仕上げの歯磨きが必要と言われたりもするけど、一体これらの生活ルーティンの管理は、何歳になったら卒業できるのだろう?
今も昔もできることはしてあげたいのが親心。しかし「YES」の姿勢で育児をしすぎるのも、はてさて子が大きくなってくると、本当に大丈夫なのか? と不安になってきたりもする。彼らのなかで与えられることがあたりまえになっているんじゃないか、って。
私自身はきっと世間的には「甘めの親」と思っているけれど、しつこく注意しても聞き入れられないことが起きるとブチッとキレてしまうことも。そして、キレた後には決まって後悔and反省。私だってキレたくなんかない! キレる前に「もうお母さんキレそうですよ!やばいよ!」って、子どもたちに知らせるスイッチがどこかにないものか。家庭用「お母さん緊急事態スイッチ」が欲しい。
私が「お母さんやめたい!」って状態になってしまった日に、食事を作ってくれていた娘。
この春小4になった息子の漢字のドリルを見ていたら、書き順がアーティスト級に滅茶苦茶でおったまげ! 急きょ母は漢字先生を始めました。
子どもたちがまだ赤ちゃんのころからずっと仕事ばかりしてきたので、ちゃんと子どもたちを見てあげていなかった部分も多くあって……。自分でこんなことは言いたくないけれど(笑)、結構DAME〜なお母さんなんじゃないかな、とも思う。
だけど、そんな我が家で育ってきた娘・あこも、息子・想太も本当に【いいやつ】だと思う。ケンカもするけれど仲がいいし、おたがいをちゃんと助け合っている。もちろん勝手にそうなったわけではない。彼らのお父さんが非常に【いいやつ】であって、私の両親が日々の育児の助けをしてくれて、さらに彼らに関わる周囲の大人がナイスなこと、私たち家族に出会ったみんなが【いいやつ】にしてくれた。
大切な娘と息子。こうして大きくなったのはみんなのおかげなんだよって、って伝えていきたい。
お母さんの気持ちというのは日々つねにウラハラで。「よかった」と「大丈夫かね?」の中で、必死にもがいている。きっとどんな時代のどんな親でも、必死で子どもを育てている。「大丈夫かね?」が強くなりすぎてもきっと、子どもも親も苦しくなる。娘が受験期に入った今、まさに木津明子「大丈夫かね?」が強め。
大丈夫! 心配するな。笑え!
何かあったら、キレる前にちょっとホラーっぽく笑いながら伝えてみようかな。その方が怖いかな(笑)。なるべく「いいぞ!いいぞ!やってみろ!」っていう姿勢でいよう。
こうやってつねに迷いながら、私たちは子どもを育てている。
もうすぐ【母の日】。自分で自分をホメてあげて、世界中のお母さん、育児に関わる全てのの人たちへ【いつも本当によくがんばっていてエライで賞】を捧げます!
私が人生で一番嬉しかった母からもらった賞。中身は現金(笑)!
otona MUSE K