群馬・水上温泉郷で見つけた食いしんぼうのためのグルメリスト9選
『猪のパテ』『すっぽんの内臓』お手製ジビエは要チェック!

温泉郷をドライブしているとちょくちょく見かける「クマ出没注意」などの看板。観光客の我々は「ホントかよ」と笑いながら通り過ぎるのが通例ですが、近年の気候変動で野生動物が市街地に出没する例は多発し、深刻な問題でもあるのです。そんな野生動物を美味しいに変え、地元の野菜などと共に提供してくれるジビエのお店が『たんとくわっさい』です。方言で「たくさん召し上がれ」を意味する店名をつけたオーナーの阿部さんは地元の猟友会でもお仕事されている猟師。水上駅から徒歩11分とわりと中心地にある貴重なお店なんです。ちょっと行ってみましょう。
『お山の食堂 たんとくわっさい』
〒379-1612 群馬県利根郡みなかみ町小日向650−1
営業時間は 18:00 - 22:00
当面の間は不定休
階段を上がり、こぢんまりとした店内はザ・山のビストロな雰囲気。ワインやビールと共に鹿のツノなどが飾られていて「ジビエ食べに来たぞ!」という気持ちが高まります。
お値段も良心的。
ジビエ=狩猟によって捕獲された野生鳥獣のお肉をいただくわけですから、季節によってメニューは変わります。鹿や猪、夏はすっぽんや鮎、秋はきのこ、冬はもちろん熊、春は山菜が登場。私が訪れたのは6月で、獲れたらすっぽんのコースなんかもいただけるんですって!
こちらがすっぽんのコースでいただける、内臓のお刺身。手前にある筒状のものが腸で中央のベージュでプリプリしたものが白子、その上にある紫色は腎臓です。すっぽんの内臓ってはじめて食べるかもしれない……!
すっぽんの白子のお味はとっても淡泊。ごま油とお塩でいただきます。
コースにはすっぽん鍋ももちろん含まれております。
古くから滋養強壮にいいといわれているすっぽん。体内で生成できない必須アミノ酸9種類全てが含まれており、その他にもビタミンA、B群、D、E、カルシウム、鉄、亜鉛、コラーゲンなどが含まれているそうです。むつかしいことは置いといて、プリプリで美味しいです。
6月から8月ごろは鮎がいただけることも。やわらかくて美味しい!
鮎の塩焼きを串にかぶりついて食べていると、ああ、山にきたんだなあと実感します。はむはむ。
鮎ごはんなんていう、とーんでもない贅沢も♡
店内では、すっぽんのおちびちゃんたちを生育。外敵に食べられないくらい育ったら放流しているそう。ただ獲って食べるだけじゃなく、生態系の未来のことまでひとつひとつ考えているのは、さすがオーナー、猟友会のお仕事もされているだけありますね。
個人的に驚いたのが猪のパテ。猪ってニオイが強いイメージがあったんですが、とても食べやすくて味が濃かったんです。野生動物だからなのか、脂もしつこくなくて美味しくお酒がいただける味でした。
猪のパテ。あれば必食ですぞ!
鹿のコンフィ1,100円。鹿の旨みがシンプルに味わえます。
粒マスタードと合う~!
『たんとくわっさい』は基本的に、夜営業で不定休。というのも、オーナーの阿部さんが夜通し猟にいくこともあれば、町に熊が出たりした場合は猟友会として出動しなくてはならないから。訪問予定がある場合は事前に営業を確認したり、予約してからにしましょう。InstagramのDMまたはメールがよさそうです(なにせ、猟してることもあるからw)。アラカルトでも十分楽しめますが、すっぽんのコースは重さで料金が変動するので、1名10,000~15,000円くらいの予算で相談しておけば、安心してお腹いっぱい食べられそうです。
ちなみに、店内では阿部さんお手製の『熊脂』も販売。1瓶3,300円です。一般的には保湿効果が高いため、手荒れや切り傷の対策に使われているようです。熊脂は清潔なつまようじなどを瓶に入れて肌に塗布するといいらしく、買った人曰く「ちょっとの量で伸びるから、一生なくならないかもしれないくらい減らない」そうですw 私も迷わず購入。
otona MUSE Y
EDITOR
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