スタイリスト木津明子の【こども食堂】出張「おかね塾」で君たちは何を学んだかな?

木津明子の子ども食堂日記vol.44「お金は計画的に♡ たかざわけんた先生の出張おかね塾開催!」
まずはこの日記の主である木津明子(きづあきこ)の自己紹介を。スタイリストとして働きながら子ども食堂を運営する2児の母です。私は【こども食堂レインボー】がある横浜市磯子区の洋光台駅という町で育ちました。スタイリストのアシスタントを始めたころも、1時間ほどかけこの街から都内へ通っていました。アシスタント期間の途中から都内へ引っ越し、8年ほど東京住まいでしたが、長女(現在中3)を出産後に地元である洋光台へ再び戻ってきました。そしてこの街に恩返しをしたいという気持ちで、3年前に子ども食堂を開いたというワケです。
毎月の食堂の様子をレポートしているこちらの連載、少し時間はさかのぼり6月に【おかね塾】を運営している投資家のたかざわけんた先生が【レインボー】で子どもたちに向けて【子どもおかね教室】を開催してくれたときのお話です。
欲しいものをリストアップし、手持ちの金額と照らし合わせ購入するかどうかを決めます。サイコロを振って、出た目によっては不意の支出もあるところが、この【おこづかいゲーム】の面白さ。簡易版人生ゲームのような感覚で遊べ、自然に学べる仕組みに。
子どもが成長してくると気になってくる【子ども×お金】のこと。小学校中学年になると、日常的に親子間でお金のやり取りが生まれてきますよね。我が家では子どもたちに決まったお小遣いをあげているわけではなく、いわゆるギャラ制(笑)。お風呂掃除をしたら100円、洗濯物をたたんでしまったら500円とかお手伝い内容毎に価格設定をして、ちゃんとやっていたら、お疲れ様でお小遣いを渡していたこともあったのですが、時が経ってまあ破綻していまして……(手持ちの小銭がなく、その場で渡し忘れてしまったりとか)。普段から日常的にお手伝いをしてくれていることもあって、「〇〇に行く!」とか「△△が欲しい!」と言われたらその都度必要な分のお金を渡すようになっていました。
ここ最近たまたま子どもたちがレジで代金を払う様子を見ていたら、財布に払える分の小銭が入っていたとしても、小銭は出さずに千円札を使っていて。結果、子どもの財布の中は小銭だらけに。ちゃんと小銭を数えて払うってことも、日常的にできていないようです(涙)。私としてはうるさく言うお母さんをしているつもりだったのですが、あまり伝わってないものだなと感じていました。
そんな時にご縁があり出会ったたかざわけんた先生主催の【おかね塾】がワークショップ的に開催している、子どもおかね教室。たかざわ先生に『ぜひレインボーでも開催してほしい!』とお願いしたところ快くOKをしていただきました! 感謝!
小さな子はお母さんがお手伝いしながら、【おこづかいゲーム】スタート。グミも買いたいし、チョコレートも食べたい、でも可愛い服も欲しい! と最初は欲しいモノをどんどん買おうとしていた子どもたちが、残高を可視化していくうちに、買わないという選択をするようになるのが興味深い! 自分のお金がどれくらいあるか、把握する大事さをこのゲームを通して学べます。
子どもおかね教室でまず取り組むのは【おこづかいゲーム】(たかざわ先生のオリジナル)。規定額のおこづかい、お手伝いなどをしたときの臨時収入など、子どもたちが普段の生活で得られる収入、そして支出、残金をシートに記入していくゲームです。おこづかいは規定額がプレーヤー全員に支給されますが、引くカードによっては臨時収入があったりも。買いもののチャンスも平等にまわってくるので、そのときに自分の手持ちの金額内で欲しいものを買うことは可能。あらかじめ数十円~数百円単位の欲しいものと大きな金額の買い物や費用のかさむ旅行などやりたいことに分けて、シートに書き出しておくので、目標金額なども明確な状態でゲームを始めます。
テーブルをまわりながらシートに書かれた欲しいものをそっとチェックしていたら、子どもたちにはやっぱり『Nintendo Switch 2』がダントツ人気。中には『(強い)メンタルが欲しい』などと書いている子もいたりして、個性が出ていて面白いんですよね。
1ターンに1回リーダーからおこづかいをもらいます。カードとサイコロを使っていろいろな出来事がありつつ、どこで自分のおこづかいを使って買いものをするかを考えていくゲームです(人生ゲームに似ている)。まず、私がすごくいいなっ! と思ったルールは、“リーダーからおこづかいをもらうときは必ず両手でお金を受け取り「ありがとうございます」と言う’’。子どもたちも自然とお辞儀をして受け取っているし、渡すリーダーも両手で大切にお金を渡します。
そうすると自然と子どもたちもお金を大切なものとして扱い、気軽につかわずに手元に取っておいたりするようになっていくんですよね。ゲームで使用するお金は、もちろんおもちゃのお金なんですが、リアルに手に取って(大切な物として)実感することも“お金を大切にする”ポイントに。PayPayなどの電子マネーでおこづかいやお年玉をもらうような現代の子どもたち。お金のリアルさを実感させるためには、現金おこづかい制って大切だなと思いました。しかも定期的にお金がもらえる(月払いのおこづかいなど)ことで、大きな買いものも計画的に考える力が身に付くんだなと実感。世の中のお母さん、ぜひ今月から現金手渡しで!
現実を知って倹約していく子どもたち。変化の過程が面白く、教育の重要性を知ります。学校でもお金のこと、もっと教えてくれたらいいのにね!
【おかね塾】のたかざわ先生をはじめ、スタッフの岸井さん、樋口さん、お手伝いに来てくれたヒロさん、甥っ子の然太郎。みんなとってもナイスな大人たちで子どもたちとゲームやトークに大盛り上がりでした。開催していただきありがとうございます♡
【こども食堂レインボー】で始めたYouTubeで【おかね塾】のたかざわ先生にお仕事インタビューをしていますので見てね!
8月は【こども食堂レインボー】の誕生日。無事、4周年を迎えることができました♡ 我が子の誕生日のように、出会えた子どもたちの笑顔、応援してくれている方々のあったかい気持ちを思ったり、少しずつ成長している【こども食堂レインボー】のさまざまな思い出を振り返って毎年胸が熱くなります。
初めは一人でできる事をやるぞ!と意気込んでスタートした【こども食堂レインボー】。まず家族や友だちが助けてくれ、【こども食堂レインボー】を通してたくさんの人たちに出会い応援してもらい、仲間が増えて、トライ&エラーを繰り返して一歩ずつ歩いてきました。一人ではできなかった。分かってはいたけれど私は人に支えられて生きてるという現実を子ども食堂を始めて、より一層強く感じています。
本当にありがとうございます。
子どもたちをお腹いっぱい笑顔にして、人と関わることで生まれる素敵なコミュニケーションの連鎖を子どもたちにも感じてもらい、子どもたちが安心して成長できる場所。
これからもたくさんのできごとがあると思うけれど、元気に笑顔で子どもたちを守っていく活動を続けていきますのでよろしくお願いします!
otona MUSE K