フリーランスディレクター
田上陽子の北海道移住ライフ
Vol.7「野菜、ハーブの収穫」
元セルヴォークのディレクターとして、オトナミューズ誌面をはじめ、数多くのメディアにも出演し活躍していた、フリーランスディレクターの田上陽子さん。ワイナリーを営むパートナーとの結婚を機に、今年から本格的に北海道へ移住した田上さんの北海道ライフを連載でお届けする本連載。7回目は、田上さんが手塩にかけて育てた野菜とハーブの収穫についてのお話。
自分で育てた野菜やハーブは
愛おしく、格別の味わい
春に植えた野菜やハーブたちが、いよいよ収穫を迎えた今月。自分で育てた採れたて野菜を食べ、摘みたてのフレッシュハーブのお茶を飲む。そんな憧れの生活が実現しつつあります。
今月採れた野菜はビーツ、トウモロコシ、きゅうりなど。農薬や化学肥料は使用せず、土作りの際に有機堆肥を混ぜるのみで、あとは自然のパワーを信じて栽培してみました。口に入れるものなので、極力ナチュラルなものがいいというのももちろんそうですが、日々大自然の中で生活して土を触っていると、いくら便利だとはいえ、環境に負担になるような化学的なものは使用したくないという気持ちにより一層なってきます。とはいえ、どこまで美味しい野菜ができるのか、楽しみ半分、不安半分。例えば、トウモロコシは「肥料食い」と言われるほど、栄養分をたくさん必要とする野菜。通常の慣行農業なら肥料をたくさんあげて甘くして……となるので、それをしないで一体どこまでのトウモロコシができるのか?
早速試食してみると、みずみずしくて甘くて美味しい! 生でも◎。サイズが小さいものも多いけど、それこそ自然体だなぁと。
ちなみに、トウモロコシは一度鹿に半分くらい葉っぱを食べられてしまったのですが(泣)、気付けば何事もなかったかのように傷口は修復されていました。さらに、風が強かった日には大半のトウモロコシが倒れてしまったんです。はじめは、茎を起こしてしっかり支えを作らなきゃ! と焦りましたが、無理矢理起こすとかえって根に傷ができてしまうようでそのまま放置。3日後くらいには見事に真っ直ぐ元通りになっていました。こんなところから植物の生きるパワーを感じている日々です。
ハーブ畑の方も豊作です! ハーブティーにしたくて栽培したホーリーバジル、ブラックミント、レモンバームなど。元々毎日ハーブティーは飲んでいたのですが、フレッシュなものを飲める贅沢を噛み締めています。うちのハーブは大地のパワーをグングン吸って育ったせいか、葉っぱひとつひとつが大きいし、香りも濃い。収穫が追いつかないくらいどんどん育ちます。フレッシュハーブの販売もしていて、おかげさまで好評です。
先日は、アーユルヴェーダで「不老不死の霊薬」とされ重宝されているホーリーバジルを、満月の日に収穫しました。人間のからだが月の満ち欠けに影響されるように、もちろん自然界の植物も月の影響が大きく出ます。満月に向けて栄養が上の方に上がって充満していくようなので、ホーリーバジルもそのタイミングで収穫。満月に収穫されたホーリーバジルは、気分も体調もより落ち着いた方向へと導いてくれるとか。乾燥させて、長期保存できるようにもしてみました。来年はもっと種類を増やして、ハーブで美容プロダクトも作りたいな〜なんて妄想中です。
text:YOKO TAGAMI