ミシュランの味を、新しいコンラッドホテルを満喫!「体験」を楽しむシンガポール2025年最新情報
『THE INTAN』体験メニューまでイケてる

そうそう。ホテル内の『マンハッタン』でカクテル瓶詰めなどができた『Conrad 1/3/5』には、ホテルを出て体験するプログラムもあるんです。ここ【コンラッド・シンガポール・オーチャード】では専門の樹護士の案内で植物について学べる『エディブル・ガーデン・ウォーク』や、チョコレートづくりを体験できる『クラフテッド・イン・カカオ』もご案内中。そして、我々取材チームが体験させてもらったのは、シンガポールに興味のある方にはたまらない、文化を学べる『リビング・プラナカン』です。

住宅街でひときわ目をひく、ザ・インタン。
コチラの舞台はホテルから車で30分くらいの住宅地にある個人邸宅を改装した美術館『ザ・インタン』。プラナカン文化とは、主にマレーシアやシンガポールに定住した15世紀以降の中国系移民と、現地のマレー系女性の間に生まれた子孫が育んだ、中国、マレー、そして西洋(主にイギリスやオランダ)の文化が融合したもののこと。中国の中でも南部にある福建省のエリアがの方が、そもそも出稼ぎ的にこの地にやってきて、定住した例が多いようですが、ひとくくりにはできません。そもそもプラナカンとはマレー語で「ここで生まれた子」を意味します。シンガポール人って、単一の絵や写真でそもそも、表現できないんです。いわゆるマレー系の方、中国系の方、アラブ系の方、西洋の方がここで暮らし家族になっていったので、「祖先は中国の方かな」「ご両親はインド系の方かな」という方もみ~んな、シンガポール人!

とってもエネルギッシュなアルビン・ヤップさん。実はアルビンさん、2025年に新しくなったシンガポール航空の機内安全ビデオにも、冒頭のほうで登場しています。ここ、ザ・インタンがロケ地のひとつなんです!
というわけで『ザ・インタン』のオーナー、アルビン・ヤップさんも中国系の方。若かりしころ自身のルーツを探究したくなって、プラナカン文化と言えるシューズや宝飾品、食器などあらゆるものをガレージセールなどで買い集め、自宅に並べていたら友人たちが「ちょっと、あなたのコレクション見せてよ」と訪れることが増え、別にいいよとウェルカムしていたらある日突然、噂を聞きつけた政府の役人が訪れて「すごいコレクションだねえ。ここを美術館にしたらどうかな?」と言われたんだそう。そんなことってあるんですね。

購入はできないのですが、売ってたら買いたいくらい可愛い食器が並んでいるんです。

身振り手振りを加えてプラナカンについて教えてくれたアルビンさん。ピアノも弾けます。

中国、マレーシア、インドにイギリスにアラブ……文化が混ざって混ざって醸成された色彩感覚が、生活雑貨のひとつひとつにも感じられます。
そんなアルビンさんのお話(日本語も少し、お分かりになるんです!)や、ご家族で作ってくださるプラナカン料理のランチ(絶品!)、繊細で精密過ぎるアートの塗り絵タイムなどなど、超貴重なプラナカン文化体験ができちゃうんです。どなたか企画したのかわからないのですが本当にセンスあるわあ、と思ってしまう無駄のない現代的な内容で、シンガポールがお好きな方には全力でオススメなんです。宿泊予約時にリクエストまたは3日前までにリクエストすれば体験できるそう(施設の状況により予約できないこともあります)なので、ご興味のある方はぜひ!

ザ・インタンの体験プログラムは基本的には5時間のコース。ランチもいただけます。

作っているのはアルビンさんのご家族。あちらにお見えになるのがアルビンさんのお父様です。お兄様のマチガイだと思ったのですが、お父様だと言い張っていました。お若いというか……プラナカン料理ってアンチエイジングにいいんでしょうか。がぜん食欲が増しました。

プラナカン料理を語る上で欠かせないルンダン。ビーフをココナッツミルクとスパイスで煮込んだものです。

アヤム・ブアクルアはチキンカレー的なもの。

バナナの葉っぱに包まれているのはオタオタ。魚のすり身のスパイシーなかまぼこ的な感じのものです。美味!

ブルーピーで色をつけたごはんに、各種料理を盛りつけてモリモリ食べるものだそう。食べ慣れないスパイスや調味料の組み合わせなどに驚きつつも、味つけはアジア料理なので日本人にも受け入れやすく、アルビンさんファミリーはたぶんお料理上手なんでしょうね、まあそれはそれは美味! お肉などの食材がいちいち「イイもの使ってるな」って感じなんです。

お食事のあとはアート体験タイム! この日はタイルにペンで色づけしてみましょう、という内容でした。あ、このタイルは記念にお持ち帰り可能♡ 自宅でコースター代わりに使っています。

おやつターイム!右は冷たいココナッツミルクに緑色のゼリーが入ったチェンドールでかき氷っぽさがあり、個人的に大好物なお味でした。左はカスタード味のもち米のケーキと、あずきとパンダンリーフの葉で色づけした緑色のゼリーがドッキングしたケーキ。見た目も可愛いし、味はやさしい!

でも、最後に供されたフルーティなお茶が、実は一番ぶっ飛びました。雑味がないこの強い紅茶の味をどうやって出しているのか、言葉が通じるなら聞きまくりたかったです。これ、もう一度飲みたい!
お腹いっぱい、胸いっぱい。悲しい歴史の話を聞かされてズドーンと落ち込むとかじゃなく、「これこれこういう経緯でプラナカン文化ってのが生まれたんだよー、あ、ごはん食べてねー」的な、友人の親戚のおうちにお邪魔したくらいの間合いです。可愛いもの見て美味しいものを食べて帰ってきた感。けれど、名前だけは知っていたプラナカンというキーワードを、目で、舌で、自然に理解させてもらえました。このプログラム、シンガポールを何度も訪れているなど、お好きな方には熱烈にオススメです。すごく充実していますよ。
otona MUSE Y
※本記事の情報は2025年10月渡航時のものです。1シンガポールドル=121円で計算しています。
EDITOR
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