フリーランスディレクター田上陽子の北海道移住ライフ
vol.11「一足お先に冬を満喫中!」
元セルヴォークのディレクターとして、オトナミューズ誌面をはじめ、数多くのメディアにも出演し活躍していた、フリーランスディレクターの田上陽子さん。ワイナリーを営むパートナーとの結婚を機に、今年から本格的に北海道へ移住した田上さんの北海道ライフをお届けする本連載。11回目は、冬の訪れを満喫する様子に加え、今年できあがったワインについて語っていただきました。
雪深い北海道だからこそ
身に染みる、サウナと温泉
すっかり雪景色の北海道。これからもっと雪深くなると、シーンとした白銀の世界はさらに格別です。寒いのは苦手だったけど、クリアで神聖な空気がとても心地よい。
そしてなんと言っても、温泉、サウナが楽しみな季節! 先日も札幌に住む友人宅でテントサウナを満喫。サウナでしっかり汗を流した後の、ひんやりした外気浴がこれまた最高! 雪にそのままダイブしたりも。昨今のサウナブームもありますが、北海道に来てからサウナに入る機会がとても多くなりました。
昨年収穫したピノ・ノワール。
最高に美味しいワインになりました
葡萄畑にも雪が積もり始めて、来春まで雪の下で葡萄の木を眠らせる最終準備中です。枝の剪定をして、針金からリリースして、枝が折れずに雪の中で眠りやすいようにします。外気はマイナス10度以下になるので、雪の中の方が暖かく冬越しできるわけです。葡萄さん、春までゆっくり休んで〜!
そして、去年収穫したPinot noir(ピノ・ノワール)から作ったワインが完成。私が一番好きな品種なのでとても楽しみにしていました。野生酵母による自然発酵で、フレンチオークで12カ月熟成。原材料は葡萄のみ。なんてシンプルでナチュラルなお酒なんだろうと改めて実感。そして、樽熟成の過程でこんなにも味が変化するなんて。途中、味の確認をしながら、どのタイミングまで寝かせるかをジャッジしていくわけですが、生き物同様、熟成によってどう味が変化するかは正直未知数。結果、納得の味に仕上がったときには、作っている側としても感動はとても大きい。去年リリースしたものも最高に感動したけど、今年はそれを上回るバランスのよさと余韻の長さで、夫婦共に大満足の仕上がりとなりました。
並行してしばらくタンクで発酵させていた、今年収穫した葡萄のプレス作業も。うちでは人力でタンクの中から葡萄をすくい出し、プレス機の中に入れて葡萄をプレスしていくやり方を採用しています。タンクの中は葡萄の発酵によって放出される二酸化炭素が充満していて正直息苦しい……。結構な重労働です。葡萄をプレスして果汁を搾り取り、その果汁をさらにタンクに戻して寝かせて発酵させていきます。これがいずれワインになっていくわけです。
畑仕事もプレス作業もいち段落したところで、あっという間に年末! いよいよ来週には新居が完。ギリギリ年内に間に合いました。年末年始は引っ越し作業かな〜。新年、清らかな気持ちで迎えられますように。皆さまもよいお年をお迎え下さい。
text:YOKO TAGAMI