スポーツの秋にオススメしたい、風情ある街並みを駆け抜ける「シカゴマラソン」の魅力
【フリーアナウンサー渋佐和佳奈CHICAGOライフVol.4】
年に一度のビッグイベント! 世界で名高い6大マラソン大会のひとつ「シカゴマラソン」
アメリカ・シカゴに住み1年半が経つフリーアナウンサーの渋佐和佳奈さんが、現地に暮らすからこそ感じる魅力や旬なトピックスをお届け! 今回は10月上旬に行われたビッグイベント「シカゴマラソン」について。世界6大マラソンのひとつであり、毎年4万人以上のランナーが参加する、シカゴの街全体が盛り上がる特別な日! 自身も去年このシカゴマラソンに参加し、人生初フルマラソンに挑戦したランナーの視点からその魅力をお届けします。
男子のワールドレコードを記録!
4万7000人のランナーがシカゴの街中を駆け抜ける
ぐっと気温が下がり、一気に秋めいてきたシカゴ。10月初めには一瞬夏のような暑さがありましたが一変し、朝晩は最低気温が一ケタ台という日もちらほら。突然訪れた季節の変わり目に、大急ぎで衣替えをしているところです。日によって気温が変わりやすい、まさにシカゴを象徴するような日々です。
そんなシカゴでは10月上旬「シカゴマラソン」が開催され、街全体が大いに盛り上がりました。45回目の開催となるシカゴマラソンは、世界で800以上のマラソン大会があるなか、東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、ニューヨークシティと並び、名高い大会にしか与えられない「アボット・ワールドマラソンメジャーズ」のひとつ。このメジャーズ大会に参加することは多くのランナーにとっての憧れであり、6大会すべての完走メダルを獲得して「シックススター」の称号を得ることに情熱を注ぐランナーもいるほど! その名だたる大会のなかで、シカゴマラソンは1977年に創設され、今年は全米50州、世界100カ国から述べ4万7000人が参加。世界最大規模の大会に発展を遂げています。
過去を遡ってみると1986年に瀬古利彦さんが優勝し、2018年大会では大迫傑選手が日本人初の2時間5分台を叩き出し、当時日本新記録を達成したことでご存知の方もいるかもしれません。
なんと今大会、男子のワールドレコードが記録され大きな話題になりました! ケニアのケルビン・キプタム選手が、2時間0分35秒という驚異的な速さでフィニッシュし、世界記録を大幅に更新。人類史上初となる2時間0分台でのゴールとなりました!(現在23歳のキプタム選手は、去年12月に出場したバレンシアマラソンで初マラソンながら優勝し、続くロンドン・シカゴを制覇している、今大注目の選手!)
実は私もこのシカゴマラソンに、昨年参加したひとり。仙台の局アナ時代に、仕事で5㎞マラソン、そしてプライベートでハーフマラソンに挑戦して以来、5年ぶりのマラソン。なんと言っても初めてのフルマラソン挑戦ということで、大会前はとても緊張していました。しかし当日は朝早くから大会運営をサポートしてくださる1万人以上のボランティアの皆さんの笑顔と、緊張と興奮が入り混じったランナーの姿を見て「よし!私も頑張るぞ!」とモードが切り替わり、いざ走り出すと心の底から楽しんでいる自分がいました。
なにより沿道から注がれるあふれんばかりの声援や応援のパワーといったら、それに勝るものはありません! シカゴマラソンはこの沿道の声援の多さも有名で、述べ170万人もの観客がランナーたちを全力で後押ししてくれるのです。「You can do it!(あなたならできる!)」「Keep going!(その調子!)」といった文字が書かれたポスターや声援、終盤の辛くなったときも「Almost there!!(あともう少しだよ!)」「Come on!! Let’s go!!!(行け行けー!)」という掛け声に、何度も胸が熱くなり、歩みを止めないように奮い立たせてくれました。なかには、「もしよければUberを呼ぼうか?」という誘惑系から、「君は走るためにたくさんのお金を払ったよね!?(エントリー料金が約$250ドル、日本円だと¥40,000弱!)」というユーモアあふれるものもあり、そのバラエティの豊かさにアメリカらしいなとクスっと笑ってしまうことも! さらに、ゴールした瞬間からすれ違う人たちが「Congratulations!!」と声をかけてくれ、たくさんの人の温かさを感じた1日になりました。
応援のパワーをたくさん受けながら街全体がお祭りムードになるシカゴマラソンは、たくさんの方におすすめしたいくらい楽しく、貴重な体験でした。参加すれば、必ず一生の思い出になるはず! 2024年大会のエントリーが始まったばかりなので、興味のある方はぜひエントリーしてみてはいかがでしょうか?
text : WAKANA SHIBUSA