あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」を軽井沢で体験。美容ジャーナリスト鵜飼恭子がレポート
感性が研ぎ澄まされる
アイデアにあふれた料理と
モクテルのマリアージュ
東に軽井沢高原教会、南に石の教会 内村鑑三記念堂が位置する、ブレストンコート ユカワタン。森を通り抜けた先の一軒家レストラン。小鳥のさえずりや青々とした木々の動きに敏感になり、感性が研ぎ澄まされていきます。もうこれだけで細胞がキレイになった感覚よね? ただし標高1,000mということで、太陽には近い。日焼け止め対策はしっかりと。
軽井沢の森にのびのびと天を仰ぐ白樺の木。森の中での屋外アペロ。ウェルカムタイムは、白樺の器に白樺樹液とカカオをきかせたドリンクやオリジナルモクテルを。星野リゾート全体で取り組むSDGsの一環として、廃棄食材のアップサイクルがあります。たとえば通常は捨てられる、桃の種と皮、ルバーブ、レモン、杏の種などをモクテルのシロップとして漬け込んでおいしく生まれ変わらせています。
※アペロの写真は顧客とメディア用に立席ですが、通常メニューでは屋外で着席になり、アミューズやドリンクはサービススタッフがお持ちします。天候により変更します。
このモクテルはじめ、コースの料理に使われるすべての食材は、星野リゾートのスタッフが森を、市場を探し、生産者と信頼性を築き、料理に工夫をこらしたひと皿で、スタッフの「ひとつも無駄にできない」という緊張感と「食材のストーリーまで伝えたい」という愛情がひしひしと感じられ、ソースの一滴まで感謝の気持ちでいただいたのでした。
コースは9つの料理構成。
モクテルのペアリングは
驚きの連続でした
ソバーキュリアスガストロノミーのコースは、アミューズからデザートまで9品。それぞれにモクテルのペアリングのマリアージュ。
※通常メニューはコース11品で、モクテルペアリングとワインペアリング、その他豊富なドリンクが用意されています。
もうね、目から鼻から耳から、次々とサプライズが続きます。
軽井沢の緑の濃淡に映える、ビーツや仔山羊の赤。
ブイヨンや煮込んだソースの奥ゆかしい香り。
8割がナッツというパンを削るザクザクという音。
ひと皿に添えられるモクテルは、料理と調和しつつお互いを高める味わいと香り。料理とモクテルでひとつの時間を奏でている感じで、毎回そうきたか! と想像以上のサプライズ。そんなアイデアは、シェフやスタッフが食材をよく理解しているからできることなんだと感じました。いやほんとに、何を質問しても深いストーリーがあって、会話がとても楽しいんです。
text:KYOKO UKAI