吉川ひなの「家庭菜園をやっている時間が大好き」長年の友、YOPPYを迎えたインタビュー
出産後、〝師匠と弟子〟感がアップ
—密な青春を過ごしたお2人が、今では3人の子どもを育てるお母さんになりました。
H 信じらんないよね?
Y お母さんになってからのほうが、より師匠と弟子っぽさが強くなりました。母になるという点でもひなのちゃんは先輩やし、私も出産のたびに何か困ったことがあったら「これってどうなん?」と質問をぶつける。すると倍以上の回答くれる。教えてくれたおかげで、出産がスムーズだったのに、回答をもらいっぱなしで返信をしないなんてことも……。
H そうそうそう(笑)。でも、よっちゃんにそれをされたからといって別に気にならない。よっちゃんって、本当の意味ですごい熱い人だし、ちゃんとしてる。「きっと忙しいんだろうな」ぐらいに思えるというか、心と心がつながってるから大丈夫。表面だけ取り繕ったりしないしね。
Y ありがたい。逆子かもしれへん、どうしようとか切羽詰まった相談もたくさんさせてもらって。
H 懐かしいね。しかも、すごいミラクルが起きたんだよね、よっちゃん。
Y そう、逆子が治ってん。
H 絶対、大丈夫だからって信じていたし、何度もそう伝えてたよね。入院もしたけど、無事に退院できて、やっぱり大丈夫だったの。
Y その間もずっと連絡を取り合っていて、お医者さんに自分の意思を伝えるときは、どんな言い方をすればいいのか? とか、もう細かいことも含めて台本みたいなものを一緒に考えてもらったしな。私、けっこう言えないんですよ。でも、セリフにしてもらうと自分の思いを伝えやすくて。
H よっちゃん、超気遣いの人だから言えなくなっちゃうんだよね。でも、よしこの人生はよしこのものだから、先生がどうかなんて関係ないよって。
Y ハワイからな(笑)。
—ハワイと東京で遠距離であっても、結婚や出産で人生の転機が訪れても、親友関係は変わらないままだったんですね。
H 距離や会える頻度はまったく関係なくて。わたしは、本当の友だちがいっぱいいなくていいと思ってるの。それに、心を開ける友だちに対しても、いつも会わなくてもいいし、いつも連絡を取らなくてもいい。相手がわたしのことを友だちと思っていようが友だちじゃないと思っていようが、それもどっちでもいい。自分が友だちって思っているなら、それが大事なこと。
Y 人に対しての入り口がほんま優しいですよ。あまり交流がなかった後輩でも、「会いませんか?」と久々に連絡がくると、ちゃんと会ってあげるし。別け隔てのない優しさがすごいなぁって。
H 優しいかは分からないけど、よしことも連絡が途切れるときもあるよね。だけど、途切れていた時間があっても、突然の会話がいきなりディープなところから遠慮なく始まっていく。
Y 社交辞令みたいなものがまったくない(笑)。瞬間にいつもの関係性に戻れる。今は、それぞれ家族ができたこともあって、家族同士で会えるようになった。ほんまそれが感動しちゃう。
photograph:KAZUTAKA NAKAMURA styling:AKIKO KIZU
hair & make-up:JUNJUN(HINANO), TOMOE ISHIKAWA(YOPPY)
model:HINANO YOSHIKAWA, YOPPY
text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年9月号より