週末はぶらり下町散歩へ。
蔵前〈道具屋nobori〉
店長大橋さんにインタビュー
Velnica.小林加奈が、未来に繋げたい日本のクリエイティブ=“ONE&ONLYなヒト・コト・モノ”に注目し、今活躍するクリエイターやスポットをピックアップする連載。今回は東京下町に店を構える「道具屋nobori」をご紹介します。
安心して傍にある
古き良き道具と居心地のいい日用品
日ごろの行動範囲から飛び出して、毎月のように訪れている場所があります。そこは東京の下町、浅草や合羽橋からほど近い蔵前。数年前から倉庫や古い建物をリノベーションしたカフェ、雑貨店が増え、すっかりカルチャーの発信地として注目されている場所。その発端のひとつとなっているのが、重厚感のあるアンティーク調の木製の外観が目印の〈道具屋nobori〉。「人と共に暮らしていく、古き良き道具と、居心地のいい日用品たち」をコンセプトに、国内外問わずセレクトされたグラスや陶磁器、調理器具やホウキまで、日常を豊かにする“道具”たちが揃っており、多くの人たちが吸い寄せられるように訪れてくる。店長でありバイヤーも務める大橋さんに、セレクトのこだわりと魅力の秘密を伺いました。
「まずセレクトされている商品たちは、日常に溶け込みながら気負わずに使っていただくことに意味があると思っています。今の時代、効率が求められて、なくてもいいものが増えていく中、造形であったり、使い心地であったり、ひと手間を加えることで心がときめく日常の“道具”たちが安心して補充できるお店でありたいんです。例えば毎日使うものだからこそ、器やグラスたちは手が届きやすい価格で、壊れても同じものを揃えて長く愛用してほしい。もちろん定番もの以外にも、作家さんの一点ものやアンティークの器、木彫りの動物のオブジェなど、出会いを大切にしていただきたいものもご提案しています。
蔵前には、同じオーナーが“衣食住が整う街づくり”を意識して手掛けた、カフェ〈from afar〉、〈喫茶半月〉、〈茶屋小雨〉、焼き菓子専門店〈菓子屋シノノメ〉、衣類洋品店の〈文月〉が歩いて行ける範囲に全てあって、調理器具の問屋街である合羽橋や浅草もほど近い。散歩がてら街ごと楽しめるので、是非ふらりと訪れてほしいですね」
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text:Kana Kobayashi(Velnica.)
小林加奈。 Velnica.デザイナー。1975年生まれ。てんびん座。B型Rh-。著書『リトルアトリエ ヴェルニカ』が発売中。