マグネシウム美容でキレイに! 【日本屈指の塩のエキスパート・アコール】が手がけるコスメの魅力を現地取材

「塩」はなんとなく生きていくうえで欠かせないもの、美容や健康にもイイというイメージはありますが……今回は、400年以上の歴史をもつ〝塩の聖地〟で、「塩づくり」の叡智を生かした化粧品を開発している「アコール」に潜入取材してきました!
江戸時代から続く塩づくりのパイオニア「赤穂(あこう)」の地へ!
編集長・梅田とライター・門司が向かったのは、日本屈指の塩の町として知られる兵庫県赤穂市。ここ赤穂では江戸時代から400年以上にわたり塩づくりが続けられ、日本の高品質な塩づくりをリードしてきたのだそう。瀬戸内海に面し、雨が少なく温暖な気候に恵まれていることから、塩づくりが発展したともいわれ、江戸時代には「赤穂塩、日本第一なり」と名を轟かせて全国区に。「赤穂の天塩(あこうのあましお)」のこの赤いロゴ、見覚えがある人も少なくないはず! アコールはこの「赤穂の天塩」を製造している赤穂化成株式会社のグループ会社で、その塩やミネラル作りのノウハウを活かした企画・製品づくりを行っており、主にインターネット上で販売を行っています。
化粧品の研究開発の本題に入る前に、まずはなぜ塩が人体に必要なのか、そして塩づくりの基本についてをまとめていきます。
人のからだの中には約230gの塩が常に保たれていて、水分量の調整、筋肉の収縮補助、血液や胃液の成分などに使われています。生命維持に必要なミネラルのひとつであると同時に、石鹸や陶器、ガラス、ティッシュペーパーなどの生活用品を作るための原料の一部として使われていることもあり、生活に切っても切れない必須のミネラルでもあるんです。食材の味つけ以外にも、漬物、味噌、醤油、うどん、ハムなどを作る際にも不可欠で、食べ物を美味しくする役割も。
塩は海水を採取した後に濃縮し、塩分濃度の高い海水を作ってから、「煎ごう」という煮詰める工程を経て作られます。古代から自然の地形や太陽熱を利用した「塩田」を用いて塩は作られてきましたが、生産コストをおさえて塩を大量生産することを目的に1971年、政府により塩田による製塩法が廃止。その結果、純度が高い分、塩辛い食塩が流通するように……。
「昔の塩の味を取り戻したい!」という消費者により、自然塩運動が巻き起こり、1973年に従来のにがり成分を含んだまろやかな旨みがあふれる「赤穂の天塩」が誕生したのだそう!
「赤穂の天塩」は素材にこだわり、オーストラリアの世界自然遺産・シャークベイの美しく広大な塩田で、自然の力を活用し2年の歳月をかけて生まれる「天日塩」(塩の結晶)と「にがり」を使用し、伝統的な製法をベースとした「差塩製法」により赤穂で製造されています。“にがりを含む塩”は、素材を最大限に生かし、日本料理の繊細な味わいを守るのに不可欠。多くのプロの料理人からも支持されているのだとか。
「赤穂の塩」を手がける赤穂化成では、伝統的な流下式製塩(竹の細枝を組んだ枝条架に海水をかけ、天日と風によって水分を蒸発させて塩分を濃縮させる方法を現代風にアレンジしたもの)×平釜で塩づくりをする装置も。この装置を使って実際に塩が生産され、「赤穂東浜の塩」として販売されています。
さらに赤穂化成本社の敷地内には「天(あま)のハウス」という、オーダーメイドで天日塩づくりを行う施設も。雨が少なく日照が豊富な赤穂の気候を生かしたビニールハウス内には木箱に入った塩がずらりと並び、飲食企業や料理人など味にこだわるオーナーから特注されたオリジナルの塩が育てられています。天日塩を管理するのは「塩師(しおのつかさ)」と呼ばれる三宅さん。オーダーメイドの天日塩は味わいや粒の大きさなど、オーナーごとにニーズが異なるため、気候の変化を見極め、結晶化していく塩に真摯に向き合い、タイミングを三宅さんが見計らって採塩がなされているのだとか。
「天日塩のオーダーメイド」は体験料、講習料、材料費、できあがった天日塩(5kg)、送料込みで¥50,000(税込)。「結婚式の引き出物に活用したい」「会社のオリジナルノベルティにしたい」などの問い合わせもあり、一般からのオーダーも受け付け中とのこと。
photo&text:NORIKO MONJI
WRITER
学生時代に女性ファッション誌のアシスタントとして雑誌作りのキャリアをスタート。フリーランスエディター&ライターとして、美容、旅、食、レシピ監修まで手掛ける。強靭な胃腸&体力をもち、国内外を貪欲に旅する弾丸トラベライターとしても活動中。とくに台湾を愛し、訪台歴は60回以上。台湾の充実の食ガイド『台北エリア別満喫旅 食べまくり!』をはじめ、著書4冊。