街ナカホテル「OMO5 金沢片町 by 星野リゾート」で、金沢の歴史&伝統文化にどっぷり浸る旅
金沢の歴史・伝統文化に触れる その③ 「金沢KOGEIナイトサロン」で伝統工芸に触れ、加賀棒茶&お菓子を味わう

19:00になるとホテルのカフェラウンジスペースに、のれんがお目見え! そこをくぐると…

なんとも幻想的で美しいい空間演出がお目見え! 「OMO5金沢片町」では伝統工芸が彩る空間でゆったりと加賀棒茶とお菓子がいただける「金沢KOGEIナイトサロン」が毎夜開催されています。


ホテルスタッフの方が丁寧に淹れてくれたお茶を、食べるのがもったいないくらい美しい宝石のような茶菓子といただく癒し時間。伝統工芸品に囲まれたノスタルジックな空間でお茶をたしなむひとときは、旅の想い出に刻まれるはず。
さらに今回は12月初旬から本格スタートするよりブラッシュアップされたナイトサロンをひと足先に体験させていただきました。
加賀棒茶の違いを知り、自分で淹れるスペシャル体験

ホテルの近所にある老舗茶店で指南を受けたホテルスタッフさんが、加賀棒茶の歴史や茶店ごとのこだわりなどについて説明してくれたあと、5種のお茶の香りをかぎながら好みのお茶を選びます。加賀棒茶とは石川県特産のお茶で、お茶の「茎」を焙煎して作られますもの。自然な甘みと香ばしい香りが広がるのが特徴で、焙煎の仕方や茎の部位により、香りも味わいも違ってくるのだとか。5種それぞれ全然違う! 私はキャラメルのような濃厚な甘みが魅惑的な、丸八製茶所の「加賀棒茶 ほうじたて」をチョイス。

お茶をおいしく淹れるポイントを教えていただき、お茶を淹れていきます。茶器や茶筒、ケトル、トレーなどすべてが厳選された石川県をはじめとする工芸品を使用。見た目の美しさはもちろん、機能性も備わった工芸品の数々、欲しい気持ちがあふれすぎて大変です!

提供されるセットは伝統工芸品づくめ! 輪島漆器の四十沢木材工芸「KITO」のトレーに小皿、輪島塗「田谷漆器店」のドキッとするほどなめらかな触感のカトラリー、お茶を飲むのに最適な「南景製陶園」の急須、さらにあえて無地の九谷焼「HANASAKA」の湯呑。「古都美」のほろっと優しい味わいのクッキーに、「茶菓工房たろう」のあえてそのままの餡を、自分で淹れた加賀棒茶とともに。工芸品の美しさ&温かみに触れながらの、おいしく心満たされる贅沢時間を満喫させてもらいました!
金沢KOGEIナイトサロン 19:00~22:00(21:30最終提供)
料金:1セット¥1,000(宿泊者限定)※自分でお茶を淹れる新規体験は有料
金沢の歴史・伝統文化に触れる その④ 輪島塗など贅沢な工芸品に合わせたコース料理で、石川の旬を味わう

OMO5金沢片町は夕飯を供するレストランは併設していないため、夕飯はホテルスタッフさんイチオシのお店へ。「すべては石川のもの」にこだわる「CRAFEAT」さん。
唯一無二の食体験がかなう2F席でコース料理を

「CRAFEAT」さんでは絶品のお料理、お酒をいただけるのはもちろん、高価で希少な輪島塗などの工芸品に触れながらとっておきの食事が楽しめるのが魅力。1F席は気軽に楽しめるアラカルト料理と日本酒を、2F席は要予約制で石川県の旬の食材をふんだんに使ったコースがいただけます。

「工芸品を日常にも使ってもらいたい」という想いを込め、使い方の提案も含めてコース料理を手掛けているのだとか。店内では工芸の17人の作家作品が扱われていて、実際に購入することも可能(1Fエントランス部分に展示スペースもあり)。
コース料理はその日の仕入れや季節により異なるそうで、とにかく絶対に再訪したい満足感の高さでした。この日は、毛ガニとシャインマスカットの白和えの先付からスタートし、加賀野菜の炊き合わせ。金時草を練り込んでほんのり紫に色づいたポテトサラダもユニーク。

さらに、能登のかぼちゃと甘エビのすりながし、のどぐろの刺身は加賀棒茶の香りで「これぞ金沢!」な香り高い燻製に。

たい焼きの中には、能登の鯛の昆布締めに、無花果やクリームチーズをまるで宝石箱のように詰めて…。お出汁も最高においしかった能登豚とごぼうの煮物には金沢のマスタードを添えて。メインは能登牛の炭火焼きにれんこんのすりおろしの揚げ出しに、石川県の郷土料理でもある治部煮のあんをかけて…。〆には鶏ガラと大野醤油を使ったスープのにゅうめん。そしてデザートは能登の酪農家さんのフレッシュミルクのアイスクリームに、能登の漆に見立ててた黒ごまの生チョコレート。
地元の素材を使いながらも、アイディアとセンスにあふれるお料理の数々に舌鼓。お腹も心もたっぷり満たされましたが、この変化球がありまくるコースをずっと堪能していたいと思ったほど。
1Fでは日本酒飲み放題もやっているそうで、なんと飲み放題でありながら工芸品の輪島塗のお猪口を選べるというスペシャル待遇! 1Fでさく飲みでも、2Fでしっぽりコースでも、とにかくなにがなんでも再訪したいと思います!
金沢の歴史・伝統文化に触れる その⑤ 「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」でアートを堪能

翌朝はホテルが手掛けるOMOレンジャーツアー「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」に参加。SNS映えするレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」が言わずとも有名な美術館は、ホテルから徒歩でわずか5分の距離。「もっと美術館の魅力を伝えたい」という想いから、美術館とOMO5金沢片町のスタッフで試行錯誤を重ね、実施しているツアーなのだとか。参加費はこちらも無料(要予約)。美術館の設立までの背景やコンセプト、展示作品についてのディープな話をホテルスタッフのOMOレンジャーからうかがいながら、無料の交流ゾーンの作品を巡ります。
無料スペースだけでもかなりアートを堪能できるのに驚き! ツアーは美術館で解散なので、自由に思い思いの時間を過ごせるのもうれしいところ。
美術館は2027年から大規模リニューアルのため休館するとのことなので、金沢に行ったら今こそ見どきです!
photo&text:NORIKO MONJI
WRITER
学生時代に女性ファッション誌のアシスタントとして雑誌作りのキャリアをスタート。フリーランスエディター&ライターとして、美容、旅、食、レシピ監修まで手掛ける。強靭な胃腸&体力をもち、国内外を貪欲に旅する弾丸トラベライターとしても活動中。とくに台湾を愛し、訪台歴は60回以上。台湾の充実の食ガイド『台北エリア別満喫旅 食べまくり!』をはじめ、著書4冊。






