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オトナミューズ編集部

「まつエクやネイルだけ最近また戻してます」移住、子育て、バランスをとること|吉川ひなの対談

親から子へ受け継がれる秩序

 今、僕は南アルプス市に「地球のくらし保育園」を設計していて、来年の春に開園予定なんです。園の先生たちが、農業をやったり、暮らしの中の作業―ご飯をかまどで炊いたり、お菓子を作ったり、お味噌や醤油を仕込むとか、日々の営みを子どもたちが手伝って、それが育児になることが園のコンセプトなんです。


 四井さんの保育園の話、すごくいいなと思いました。暮らしそのものが教育になるって、すごく豊かですね。


 生活文化を伝えることがサステナブルな社会を作る基盤だと思うんです。自然の秩序の先にある暮らしの秩序を次世代につなげていく。


 末っ子をその幼稚園に通わせたいです。ハワイで育った上の二人に比べると、土や虫、海にも苦手意識があって、もっと自然と仲よくしてほしいけれど、焦っちゃいけないって思いつつ、どうしたらいいのかなって。


 僕は、それぞれ違っていていいと思うよ。同じ経験をしなくても、その子なりの形で自然と関わっていけばいい。


 わたしの「こう育ってほしい」っていう思い込みが強かったのかもしれないですね。


 それもひなのさんが培ってきた秩序だから、否定しなくても大丈夫。いろんな価値観、受け継ぐ仕組みを自分の中に形成していって、それを子どもに伝えようとしているっていうのは、生物としてすごく正しいことだから。もし、子どもが親の思っている道とは違う方へ行ったとしても、子どもには子どもの学びがあって、親の存在、周りの環境などいろんな要素がつながって、その子なりの答えを出していく。だから、ひなのさんは、ひなのさんのインプットをしていくだけでいいんです。


 ちょっと安心しました。親の言葉って子どもには大きな影響があるから。わたしは、親や兄弟からすごくからだが弱いと言われ続けて育ってきたんですよね。実際は健康なのに、今も自分の健康にあまり自信が持てなくて。


 自分はからだが丈夫だと思って生きている人のほうが実は短命だったりするよね。自信がある人は、夜ふかししたり、ちょっと無茶をしたりするけれど、からだが弱いと思っていたら労るためにいろんな努力をするわけだから。


 労りまくり、努力しまくりです!


 そういう人のほうが長生きします(笑)。

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photograph:AFLO interview:HAZUKI NAGAMINE

otona MUSE 2025年8月号より

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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