「怒りも悲しみも、笑って流す力を」田畑智子が語る日韓共同ドラマ『私の夫と結婚して』と今の自分
「あえて距離を詰めない」先輩の優しさとは
ドラマ『私の夫と結婚して』は、夫と親友に裏切られて命を落とした主人公が10年前にタイムリープし、“人生の再構築”を図るリベンジストーリー。韓国ではパク・ミニョン主演で大ヒットした作品を、日本版ではアン・ギルホ監督(『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』)、大島里美・脚本(『1 リットルの涙』)のもと、小芝風花、佐藤健らが出演し、サスペンスと人間ドラマを巧みに織り交ぜた仕上がりになっている。そんな中、田畑さんが演じる住吉は、主人公・美紗の数少ない味方として登場する。彼女は美紗を直接励ますわけではない。声を荒げて訴えることもなければ、わかりやすいヒロイン的感情の爆発があるわけでもない。ただ、遠くから見ている。必要なときだけ、手を差し伸べる。その距離感が、妙にリアルで、そしてあたたかい。それはまるで、曇り空の隙間からふっと差し込む陽の光のように。いつも見えているわけではないのに、気づいたときにはそこにある。そういう人がいることは、人生において小さくない幸福なのだ。
「住吉さんは、無理に距離を詰めてこない。でもちゃんと見ていて、困っていたら“いつでも手を差し伸べるよ”という余裕がある人。私も子育てを経験して、ようやくそういう距離感を持てるようになった気がします。ちょっと離れたところで、誰かの背中を支えられるって、今の年齢だからできることかもしれません」
「理想の先輩像」などとひとくくりにしてしまえば簡単だが、田畑さんの芝居から滲むのは、もっと生活に根ざした“体温”だ。仕事帰りの飲み会、上司とのやり取り、仕事のフォロー。そこに、住吉という存在はスッと染み込んでいく。
「若い人たちと同じテンションにはなれないけれど、ちゃんと彼女たちの成長を見守っている。距離を取りつつ、“自分の人生も捨てたもんじゃないな”って思わせてあげられる、そんな存在になれたらと思って演じました」

【衣装クレジット】
ドレス:furuta
問い合わせ先:https://maisonfuruta.com/
photograph_TAKAHIRO SAKAI styling:REIKA IIJIMA hair & make-up:EMI SUYAMA
EDITOR
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