いつしか罵倒も快感に。ドラマ『こんばんは、朝山家です。』で"キレる妻"に初挑戦した中村アンが語る「家族」とは
反抗期まっさかりの高校1年生の蝶子(渡邉心結さん)と、自閉スペクトラム症の診断を受けている晴太(嶋田鉄太さん)の母親でもある朝子さん。同作の制作発表会見でも本当の親子のような空気感で、子どもたちを見つめるアンさんの優しいまなざしも印象的でした。
――子どもたちとはどのように関係を築いていったのですか?
アン 蝶子や晴太がいつも「母ちゃん」って呼んでくれていたんです。そのおかげで自然と親子の雰囲気ができていったというか、子どもたちに母親にしてもらった感じはありますね。晴太は学校のこととか*ソーラーのこととか関りが多いので、晴太をスマホの待ち受けにしていた時期もありました。そしたらどんどん愛おしくなって、守らなきゃって気持ちになったんです。もちろんお姉ちゃんにも同じ気持ちです。
*晴太が通う療育センター
――朝子のモデルとなっている足立晃子さんから、役作りをする上でアドバイスをもらったりしましたか?
アン 朝子さんを演じる上で一番不安だったのが、お母さんの気持ちを理解することでした。それを晃子さんに伝えたら、「アンさんのような不安な気持ちのまま、私もお母さんをしてきました。お母さんも子育ても正解はないので、そのまま演じていただければ」と言われてストンと自分に落とせたんです。晃子さんが現場にいるだけで明るくなったり、本当にひまわりのような方なので、そういったところもヒントになりましたね。
Photograph:KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE] Hair & Make-up:AIKO TOKASHIKI text:KYOKO CHIKAMA