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オトナミューズ編集部

【妻夫木聡・広瀬すず】日本に生きるすべての方、必見! 9月19日公開映画『宝島』対談インタビュー

恋愛って、おたがいが好きと言い合って確認して始まる、というものではない

――物語のタイムラインが20年以上の時間経過があるなか、同じ役を演じ続けるというのは、もはや朝ドラか大河ドラマ級なんですが、役作りや芝居のアプローチはどうされたんですか?


妻夫木 あまり不安がなかったんですよ。衣装合わせのときから、ビジュアル面で年月の経過を表現でき、それが演じるうえで助けになることがわかっていたので、見た目は大丈夫。それよりもグスクがスクリーンの中でそれぞれの時代を生きていることを表現することに集中しよう、という感じで挑みました。


広瀬 どの役も時間の経過とともに経験値が増えていくんですが、私も衣装やメイクの力に助けられたところが大きいと思っています。

――こういう経験は今までありました?


妻夫木 あまりないんですよね。もちろん時間の経過が長い役はこれまでもチャレンジしてきましたが、グスクのようにひたすらオンちゃんの幻影を追い続けて数十年、みたいな役は初めてかもしれません。


広瀬 私もそうそうない経験だったと思いますし、主要キャストの中で私だけ年齢が離れていたこともあって、正直どうしよう、と思ったのが素直な気持ちでした。若いころのヤマコのパートよりも、大人になってからの彼女が物語のメインになっていますが、どの時代のヤマコも等身大のまま。それに関しては話し方などでいくらでも芝居できるから大丈夫だと思ってました。それよりも現場でも完成した作品を観ても感じたのが、妻夫木さんや永山さん、窪田さんが冒頭、本当に少年にしか見えないのがすごいと思ってます。

――グスクとヤマコの関係性はお二人の解釈としてはどう観ているんですか?


妻夫木 監督も悩まれたと思うんですが、僕が原作と台本を読んだ感覚として、2人の関係はプラトニック。でも、映像として表現するうえで、その感情をどこまでいれるか、というのは難しいところだったと思います。なにせ2人について描くことが多いから、恋愛の部分を入れてしまうと話がぶれてしまうと思っていて。僕としては一貫してそのパートはいらないんじゃないか、と思っていたんですよね。恋愛って、おたがいが好きと言い合って確認して始まる、というものではないと思うんですよ。一緒にいるのは、好意を持っているから。それだけでいい。グスクの場合「ヤマコが幸せならそれが僕の幸せ」という感情があったと思いますし、すずさんもそうやって演じてくれたのは助かりました。


広瀬 グスクはお兄さんのようでもあり、戦友でもあり、家族でもあり。ヤマコにとって自分の穴を埋めてくれるような存在。それが恋愛かと聞かれるとちょっと違うんですけど、まわりから見たら恋愛にも見えるんでしょうし、おたがいが心の支えになっている、相棒のようなものになっているんだと思いました。それがどんどんと物語上で共鳴し合うから、一般的な恋愛感情に走るのも、わからなくはないですよね。でも、ヤマコは自分の足でしっかり立って、人に頼らずに生きようとするキャラクターだから、グスクはそんなヤマコを甘やかさず、自分らしく生きるのを支えてくれる存在、というように感じてます。

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Photograph:KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Interview & Text:MASAMICHI YOSHIHIRO
Styling:YASUHIRO TAKEHISA(妻夫木さん)、AKIRA MARUYAMA(広瀬さん)
Hair & Make-up:AZUSA OUE(妻夫木さん)、MASAYOSHI OKUDAIRA(広瀬さん)

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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