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オトナミューズ編集部

「いろんなことを言われても結局幸せであるかが重要」【IKKO×梨花】が語る楽しく美しい年齢の重ね方

年齢をネガティブに捉えず50代の今だから伝えたいメッセージがある

R 私も悩みやすかったけど、「辛いことは次のステージに進むための訓練」って思えるようになってからは、落ち込む時間が短くなった気がします。私、欲張りなんです(笑)。あれもこれも取り入れたいけど、心を整えないとパンクしちゃうし、新しいことも入ってこなくなる。IKKOさんはどう整理して自分らしさを取り戻していったんですか?

 

I 50代になって、全部自分で抱え込まずに、人に任せられるところは任せようと決めたんです。でも最初は慣れなくてストレスが溜まり、その反動で暴食して体形がグッと崩れてしまって……。当時は美容を語るなら痩せて綺麗でいなきゃというプレッシャーもあったから、余計に苦しかった。でも人は誰でも年齢を重ねれば老いていくんですよ。崩れるものは崩れていく。だったら、私は私! と今の自分を受け入れて堂々と生きようと腹をくくったの。その代わりに、“みんなに喜ばれる、売れる化粧品を作ってやる”と、仕事の重点をプロデュース業へ方向転換していったんです。


R 美容の世界ではIKKOさんはずっと先輩で、コスメを手がけてきた歴史も本当に長いですよね。私は今夏に初めてスキンケアアイテムをプロデュースしたんですが、この5年ほどで美容業界が大きく変わったように感じるんですよ。


I そうね。私は20年近く前から渡韓して、現地の最新の美容医療に注目していたんだけど、最近は日本でも美容医療がぐっと身近になったなと感じます。私の美容の原点は母が美容師だったこともあって、幼少期から。常に時代の流れを見極めてきた感じがします。美容師になったころは、まだヘアメイクという職業がなかった時代。それが年々女性誌やファッション誌が台頭してくる流れを感じるようになって、28歳でフリーランスのヘアメイクアーティストとして独立したんです。


R そのころと今では、メイクのアプローチもだいぶ違いますよね。


I 当時はレタッチ技術が今ほど発達していなかったから、肌のアラをきちんとカバーしながら、塗っていないようにナチュラルに見せるテクニックが必要でした。その経験から、メイク技術だけではなく肌そのものを美しく整えることが重要だと気づいて、化粧品の成分を理解することが美容の仕事を広げる鍵になると思い、勉強を始めたの。


R その気づきが20年前の渡韓につながるんですね。すごい。


I そう。そのころ韓国ではすでに美容医療が進んでいて、エステで時間をかけてケアをするという文化から、クリニックで皮膚再生のメンテナンスをすることにトレンドがシフトしていたんです。美容医療が進化すれば、追いつこうと化粧品のクオリティも一気に高まる。その背景を知って、私は早い段階から韓国ブランドとお仕事をしてきました。

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photograph:MASAMICHI TOMITA[vale.] styling:SATOE MORIAI(IKKO) make-up:RYOSUKE YAMAGATA, YUUKO TAKABA (IKKO)
hair:AKIO MATSUMOTO(RINKA), YOSHIMI KIKUCHI(IKKO) make-up:MIKAKO KIKUCHI[TRON](RINKA) edit:HIROKA AMANO

otona MUSE 2025年11月号より
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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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