ヘアメイク河北裕介に今、改めて聞く、ミューズ世代の「イイ女」論。
小誌創刊と共にスタートした、大人の“あるある”悩みに応えながら、イイ女に仕立てる河北氏とのメイク連載も遂にグランドフィナーレ（拍手）！ 約8年という、センセイとの長ーいお付き合いの中で、全くブレのない河北メイクを改めて深掘りします。「河北メイク」には、ただメイクをするだけにとどまらない、美の哲学があるんです。人生論とも言える“イイ女”論を語っていただきました。
河北さんに今、改めて聞く
ミューズ世代のイイ女論
Message1
“いくつになっても好奇心を持ち続ける”
「好奇心にリミットをかけず、興味があったらトライする行動力を持ってほしい。世の中情報過多だし、何をせずとも“知った気”になってしまうことが多い。だけど、たとえメイクでもスキンケアでも運動法でも、誰かがいいと言ったところで、自分には合わないこともある。だからこそ、自分で行動して、結果を知ることが大事。すぐに答えが出なくても続ける過程が大事だし、誰かに評価されようとする必要なんてない。年齢や固定概念に縛られることもないし、失敗だって恐れなくていい。だって、それが知識になって、スキルになって経験になるのだから。その経験があればあるほど、可能性を広げる糧になる。つまり、自分のアップデートに繋がるんだ」（河北さん、以下同）
Message2
“アクセサリーのようにメイクを楽しんで”
「よく相談されるのが『何色が似合うか分からない』や『いつも同じメイクから抜け出せない』という悩み。鉄板メイクを無理に変える必要はないけれど、もしマンネリを感じているなら、アクセサリー感覚でカラーアイテムを使ってみてほしい。いつもの眉をピンクに変えてみたり、アイラインにシルバーを足してみたり。洋服に合わせて、アクセントとしてアクセサリーをプラスするように色をポイントで足せば、違和感なくメイクをもっと楽しめると思うよ」
Message3
“個性は主張せずとも勝手に滲み出るもの”
「『私らしさ』って大切だけど、それを通そうとすると『我』になってしまう。やっぱりTPOは大切で、いつどんな人に会うのか、どんな場所に行くのかでメイクやファッションは配慮するべきだと思う。仕事もそうなんだけど、まず基礎をしっかりと、そして相手への思いやりを大切に。それって別に個性をなくしている訳ではないんだよね。あえて出そうとしなくても、性格とか好みとか、クセとかで『らしさ』って出てくるんだよ。個性って、こっちから押し付けるものでも、媚びるものでもなくて、評価するのは相手だからね。でも、それは社会での話であって、プライベートではとことん好きなもの・興味があることを深掘りして楽しんでいこう」
Message4
“美しい人は、からだと向き合っている”
「年齢問わず、素敵だなって思う人に共通していることって、『運動』を生活に取り入れていることなんだよね。僕は、まさにMUSE世代の10年前は、全くしていなかったし、深酒が当たり前だった。でも腰を痛めてから一念発起。からだを見つめ直して、ストレッチや筋トレをするようになったら、心身共に健康に。今は『どうよ、このからだ』って見せつけたいぐらい、自分に自信もついたよね（笑）。体形や代謝の変化で悩んだりするなら、まずはストレッチから始めてみてほしい。もちろん、睡眠をしっかり取ること、食生活や呼吸を見直すことも大事。いくつになってもからだは変わる。真摯にからだと向き合えば、絶対に応えてくれるから！」
Message5
“メイクとファッション、
どちらも手をかけることで洗練に繋がる”
「オトナミューズを読む読者は、おしゃれな方が多いと思う。だけど、ファッションだけにウエイトを置いて、メイクやスキンケアを二の次にしてしまうのは、大人に必要な品が欠ける気がする。だからといって、メイクばかり頑張っても、顔だけが浮いて洒落た印象の人にはなれない。大切なのはバランス。メイクもファッションの一部と考え、トータルでコーディネートをする。そうすれば、自然と品も洒落感も、洗練された印象も手に入るんだ」
Message6
“知性のある人に、色気が宿る”
「色気って表面的なものではなくて、個性と一緒で勝手に溢れ出てくるムードのようなもの。それに必要なのは、『知性』だと思う。言葉の通り知識を持つこともそうだし、自分自身のよさを理解することもそう。経験値や想像力、情報処理すること、先を読むこと、全てが『知性』に繋がる。それは、年齢を重ねるごとに武器になっていく。そして、その人自身の深みや奥行きになり、色気に化けるんだ」
text:EMI TANIGUCHI
otonaMUSE 2022年11月号より
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