「家族って鍛えられる存在ですよね(笑)」柴咲コウ|11月28日公開映画『兄を持ち運べるサイズに』インタビュー
「家族の中で私は完全に“長”。甘えたりすることはあまりないです(笑)」

――作中では兄の遺品整理をしていく中でさまざまな記憶が蘇っていましたが、柴咲さんご自身の一番古い家族との記憶は?
柴咲 5歳くらいのときかな? 道で迷子になってしまって。お祭りとかだった気がするんですけど、その場所から動けずじっと待っていたら親が迎えに来てくれて、そのときの顔を鮮明に覚えています。あのとき、自分は動けなくなるタイプなんだって知りましたね。でも今思うと、賢明な判断ですよね? もしその場から動いていたら、会えずじまいだったかもしれない(笑)。
――ちなみに柴咲さんは、家族の中でどういうポジションですか?
柴咲 完全に“長(おさ)”ですね。経済的にもそうだし、家族の集合をかけるのも私。それは若いときからそうでした。早くから自立していたし、もう子どもという感じではないかもしれません。甘えたり、落ち込んだりするときに電話したくなったりするみたいなことも、1ミリもないです(笑)。
――かっこいい! 映画には「家族とは支えであり呪縛ではない」という言葉がありましたが、柴咲さんにとって家族とは?
柴咲 いるだけでいい。何もしてくれなくても存在するだけで十分だと思える存在ですかね。
――共演者の方々についてもお伺いさせてください。オダギリジョーさん、満島ひかりさんとの共演はいかがでしたか?
柴咲 オダギリさんとは二度目の共演で、ひかりちゃんとは同じ作品に出たことはあるのですが、ここまでがっつりお芝居で絡むのは初めてでした。オダギリさんは多くを語らない方ですが、監督の意図を汲み取って的確に表現されるんですよね。存在感も圧倒的で、難しい役なのに、「でもやっぱり憎めないな」みたいな絶妙なバランスを作ってくださって。妹の理子としてはさんざんな兄なんですけど(笑)。ひかりちゃんは、自分の意思をしっかり持ってお仕事されていて、年齢的には年下なんですけど、お姉さんのように頼りまくっていました。ひかりちゃんも個人でお仕事をされているので、根掘り葉掘り聞いちゃいましたね。「なんでも聞いてください!」って言ってくれたので、つい甘えちゃってなんでも相談して。とにかく甘えやすかったです(笑)。
――最後にオトナミューズウェブの読者に向けた、見どころを教えてください!
柴咲 家族って本当に鍛えられる存在ですよね(笑)。それぞれ家族構成は違っても、家族にまつわる悩みのない人のほうが少ないと思うんです。この作品を通して、私自身家族のことを考えずにはいられなくなりました。観てくださった方からも「自分には兄がいるんですけど」とか「姉がいるんですけど、すごくわかります」とたくさん言っていただけたので、誰しもが共感しちゃう、思わず心に刺さってじわじわと響いてくる、そんな映画になったと思います。
――もし読者の中に「家族に関する悩みも不満も一切ない!」という方がいたら?
柴咲 そうですね、そういう方の感想もぜひ聞いてみたいです(笑)。
■『兄を持ち運べるサイズに』
公開日:11月28日(金)
原作:村井理子『兄の終い』(CE メディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
出演:柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大
制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2025 『兄を持ち運べるサイズに』製作委員会
photograph:MAI KISE/styling:KEI SHIBATA/hair & make-up: SHIGE(AVGVST)/interview &text:NORIKO YOSHII
衣装協力: Maison MIHARA YASUHIRO ☎︎03-5770-3291
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EDITOR
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