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「距離をとれないほど笑って泣きました」【満島ひかり】『兄を持ち運べるサイズに』インタビュー

旅をするように役と混ざっていくすごく映画らしい撮影でした

――満島さんは「初めて『兄を持ち運べるサイズに』の脚本を読んだときに、たくさん泣いてたくさん笑いました」とおっしゃっていました。出演を検討されるときなど、脚本とどう向き合われているのでしょう。


「脚本家さんが多くの取材と時間をかけて書き上げたホンなので、私のほうも読むのに集中力が要ります。何というか、神聖さに正面から向き合うために身のまわりをクリーンにして、テーブルの上にその脚本と飲み物だけを用意して、精神は気軽に読み始めるんです。はじめに登場人物の名前や相関図、人物紹介をふんわりと頭に入れてから中身に移ります。場合によっては、最後のページを先に読むときもあるかな」

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

――ラストシーンを先に読むのですね! それはどういった理由からなのでしょう。


「どういう風に終わるのかなって、逆行してパズルを解くような興味からですね。そのほうがなぜか頭が整理されて、初読で深いところまで解釈できる感覚もあって。実は私が小学6年生のときに出演した映画デビュー作『モスラ2 海底の大決戦』(97)の撮影が、ラストシーンからだったんです。もちろん撮影はヘビーだけど、映画の物語が終わっても日常が続く感じがして、その後もラストシーンを早めに撮るのは個人的に好きなんです。雑誌を読むときも後ろから読むのがくせで、真っ直ぐに世界が進むより、巡るように理解するほうが私には合っているのだと思います。中野量太監督の脚本には、同じゴールへ向かう登場人物それぞれの違った道が描かれていて、それがとても優しい視点で、距離を取れないくらい笑って泣いていました」

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

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photograph:MAI KISE hair:ASAMI MAEDA
make-up:YUMI ENDO[eight peace] text:SYO(P20-21)
model:HIKARI MITSUSHIMA coordination:MASAÉ TAKANAKA
thanks:ÉCOLE DE CURIOSITÉS, MAISON BY SOTA ATSUMI

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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