「距離をとれないほど笑って泣きました」【満島ひかり】『兄を持ち運べるサイズに』インタビュー
――解釈を限定しないぶん、演じる側に任される部分が増えて大変だったかと思います。
「柴咲コウさんがふわっと自然体で現場に来てくださったり、青山姫乃ちゃん(娘の満里奈役)が等身大の16歳のままでいてくれたことで、とても助けられました。柴咲さんも私も、現場にお弁当を作ってきていたんです。自ずとお昼ご飯の時間にお互いが作ってきたものを覗くようになって、撮影ではあるけどずっと生活が流れていました。各々のこだわりやくせ、挑戦したいことを気にせず、ただ共存していて面白かったです」
――お弁当を作っていたのは、本作に合わせたアプローチだったのでしょうか。
「自分のからだの状態がキレイじゃないと上手く動けない感じがあって。どの仕事もそうかと思いますが、長く続ければ続けるほど細かい部分が見えてくるものですよね。感覚が敏感になるぶん、からだが連動できるように、という意識で普段から作っていて。水分がちゃんと巡るように美しく保つことは、映画とも相性がよさそうだなって感じます」
――余白を大事にする映画は、その人自身が映り込む部分もあるでしょうしね。
「意識的にそうしなくても、自然とそうした姿勢になっていきました。『役作り』というけれど、究極的には作らないのが私にとっては理想です。ただ漂っているのにカメラに映ったらその役に見える、というのが一番だし、そのためにはどれだけ解釈を深くできて力を抜けるかが大事なんじゃないかなと。役によってはセンスよく練習して、その努力が見えなくなるまで。まだ幼い部分があるけど、どんどん力まなくなってきたと思います」

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
photograph:MAI KISE hair:ASAMI MAEDA
make-up:YUMI ENDO[eight peace] text:SYO(P20-21)
model:HIKARI MITSUSHIMA coordination:MASAÉ TAKANAKA
thanks:ÉCOLE DE CURIOSITÉS, MAISON BY SOTA ATSUMI
©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
otona MUSE 2026年1月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。











