外資系証券会社、PR業を経て
フェムテックブランドの設立へ。
「WRAY」代表
谷内侑希子さんのストーリー
Velnica.デザイナーの小林加奈さんが、未来に繋ぎたい日本のクリエイティブに注目し、今活躍するクリエイターたちを紹介する「Lady Holistic」。
今回ご紹介するのは
フェムテックブランド
「WRAY」代表・谷内侑希子さん
“更年期”という存在が近づいているのを感じている、45歳。何か不調を感じるたびにそろそろ? と、からだの変化に敏感になっているこのごろ。そんな中、今回注目したのは、生理周期やホルモンのバイオリズムに着目したプロダクトを展開しているフェムテックブランド「WRAY(レイ)」。代表を務める谷内侑希子さんに、ブランドを起ち上げるまでのストーリーを伺いました。
PMS、生理不順、不妊治療etc.
ホルモンバランスの乱れによる
体調不良を経験して
「もともとは外資の金融機関で働いていたんですが、毎日夜中まで働き、朝はマーケットが開く時間に合わせて6時には家を出るような生活で。当時はプレッシャーを感じながらもやりがいを感じていたんですが、気が付くと生理不順になってしまって。その後、転職を経て結婚し、妊活に入ってみたら20代後半なのになかなか叶わず‥‥。そこから検査を通してホルモンバランスの重要性を知りました。さらに二人目の妊娠のために不妊治療もステップアップし、体外受精も経験しました。出産後はPMSがひどくなり、女性にとってホルモンバランスによる影響は計り知れないことを痛感したんです」(谷内さん)
そんな中たどり着いたのは、女性は生涯を通してホルモンバランスと付き合っていくしかないということ。
「産後、夫の転勤でロンドンに住んでいた時期に、人生で初めてゆっくりと自分のキャリアとライフスタイルについて考える時間があったんです。30代の女性って、キャリアにおいて体力的にも実力的にも一番バランスがいい時期に、出産適齢期や育児の時期と重なって悩まれる方も多い。そんな女性を心身共にサポートするために、セルフケアブランドを作るプランを考えました。まず手掛けたのは、公式LINEの開発です。自分の生理周期を把握し、ホルモンバランスと寄り添ってもらうために、生理予定日の10日前の通知や、ホルモンバランスにおける情報が届くようにしています。また、さまざまなジャンルの女性たちのストレートな声を集めて、悩みに応えるための商品開発を行っています。
女性ホルモンの不調に対して、日々続けられるセルフケアのアイテムは、ライフスタイルの中に360度ちりばめておきたいもの。今後は、女性のキャリアを応援しながら、女性の悩みを解放できる情報交換の場を増やしていきたいと思っています」(谷内さん)
Velnica.デザイナー小林加奈
1975年生まれ。てんびん座。B型Rh-。著書『リトル アトリエ ヴェルニカ』が発売中。
text:Kana Kobayashi(Velnica.)