「ちゃんと朝起きて、朝と昼ごはんを作って誰かと一緒に食卓を囲む。その時間があるだけで気持ちが整う」【長澤まさみインタビュー】
次の方向性について尋ねると、返ってきた答えは驚くほどシンプルだった。
「楽しむ、です。私は芝居に向かっているときはまっすぐで、役を演じるって本当に難しくて、感情をすり減らすし、簡単にさらっとできるものじゃないんです。でも、現場で先輩が教えてくれたんですが、“誰もが絞り出しながら演じていると思うよ”って」
だからこそ、かつてかけられた何気ない一言が、ずっと心に残っている。
「以前、日本アカデミー賞の場で、司会をされていた西田敏行さんに、“芝居をしていて楽しいですか?”と聞かれたことがあって。当時の私は“もう本当に大変で大変で”としか答えられなかったんです。すると西田さんが“いつか楽しくなるといいね”と言葉をかけてくださって。芝居って、楽しんでやっていいものなの? とすごく意外で。そのころは、そんなふうに捉える事を考えてなかったし、自分にできる事を一生懸命やらなきゃと思ってました、芝居に真剣だった」
当時は受け止めきれなかった言葉を、今は少し違った距離で見つめる。
「お芝居が難しいのは大前提として、でも、その中に楽しんじゃう気持ちを持ちながら向き合えたら、集中の質も変わってくる気がして。好奇心を持って、芝居と向き合っていきたいなと思っています」
学びは終わらない。まだ、続いていく。
「芝居の勉強をもっとしたい。最近、現場で芝居の話ができる俳優仲間ができて、それがすごく嬉しくて。芝居って、セッションであり化学変化。馴れ合うためじゃなくて、もっと深く向き合うために、人との距離も芝居との距離も、もう一段深いところへ。今は、そこに向かっていきたいです」

【GUCCI】ドレス¥3,575,000、イヤリング¥385,000、シューズ¥195,800(グッチ/グッチ クライアント サービス)
Profile_長澤まさみ(ながさわ・まさみ)/1987年生まれ、静岡県出身。2000年に映画『クロスファイア』で俳優デビュー。映画『MOTHER マザー』で第44回 日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞。近年の出演作に、映画『キングダム』シリーズ、『スオミの話をしよう』『ドールハウス』『おーい、応為』、ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』、NODA・MAP『正三角関係』、Bunkamura Production 2025「おどる夫婦」などがある。
長澤まさみさんインタビューの前半はこちら!
他の長澤まさみさんの記事はこちら
この記事の画像一覧
photograph:KATSUHIDE MORIMOTO
styling:MAHO NONAMI
hair:YU NAGATOMO[home agency]
make-up:SUZUKI
model:MASAMI NAGASAWA
text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2026年4月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。














