【長澤まさみインタビュー完全版】結婚後初表紙に話題沸騰!「人との距離も芝居との距離も、もう一段深いところへ」
ファッションは巡る。その言葉を実体験として理解できるようになった。
「ただ、過去に流行っていたものをそのまま着ると、正直、自分には似合わないことも。でもそれを若い子たちが着ると、驚くほどしっくりくるのが面白いんですよね。洋服って、行き先がちゃんとあるんだなと思います。古着ひとつでも、私たちの世代が選ぶものと、若い世代が手に取るものはまったく違う。その違いこそが、ファッションの面白さなんだと思います」
巡るけれど、同じにはならない。新体制のブランドにも同じ視点を向ける。
「GUCCIにも、デムナ(編注:GUCCIの新アーティスティック・ディレクター)っぽさがすごく感じられるんですけど、だからといって、これまでのイメージが失われているわけではないんですよね。アイコンとなる要素を大切にしながらデザインされていて、新鮮さの奥には、手にする側にとっての安心感、信頼がちゃんと残されている。ブランドの継承は、作り手だけで完結するものではなくて、受け取る側の存在も前提にあるのだなと感じられました」

【GUCCI】熱狂的なファンを多く持つデムナがアーティスティック・ディレクターに就任したグッチからは、長澤さんの滑らかな肌を引き立てる黒のドレスを。ドレス¥3,575,000、イヤリング¥385,000(共にグッチ/グッチ クライアント サービス)
作ること、受け取られること、その往復の中で初めて完成するという感覚は、長澤さんの仕事観とも深くつながる。その感覚をよりはっきりと刻んだ出来事があった。
「コロナ禍明けに参加した松尾スズキさんのミュージカルで、公演の最後に、松尾さんが客席に向かって拍手をしたんです。出演者やスタッフだけじゃなくて、この舞台を一緒に成立させた人たちとして。マスクをする、私語を控える……感染が広がらないように気をつけながら、最後まで公演を守ってくれた。そのおかげで無事に舞台を終えられた。ここまで一緒に来てくれてありがとう、という意味の拍手だったと思います。舞台も映画も、作り終えた時点が完成じゃなくて、人の手に届いて、観てもらって、何かを受け取ってもらって、そこまで含めてようやく完成といえる。その間には、たくさんの工程や人の手があって。どの仕事においても、そういったレイヤーが必ず存在します。その中で、自分がどこに立っているのかをちゃんと理解していたいなと思っています」
photograph:KATSUHIDE MORIMOTO
styling:MAHO NONAMI
hair:YU NAGATOMO[home agency]
make-up:SUZUKI
model:MASAMI NAGASAWA
text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2026年4月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。










