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長澤まさみインタビュー「長い髪をかき上げる仕草に憧れがあったりするんですけど、やめたほうがいいよって言われちゃう(笑)」

長澤まさみ
本日発売、オトナミューズ4月号の表紙を飾ってくれた長澤まさみさんのインタビューをお届け。

自己主張よりも、周りのニーズに身を委ねることで見えるものがある

――本誌のカバー撮影、昨年11月号に続いて4度目の今回は春服。いかがでしたか? 「もう4回になるんですね、うわ~嬉しいです(しみじみ)。ありがとうございます! 個人的にはやっぱりこのフェザーが付いてる服、好きですね~。写真になったときにすごく絵になるし、着ていてもなんかこう、踊りたくなるような陽気な感じがよくて(笑)。フェザーの類いって、昔から妙にテンション上がっちゃうんですよね」 ――他にそういうものってありますか? 無性に好きなディテールとか色とか。 「それこそ、今回着たようなヌーディな色み! 私、年々肌が白くなってきていて。母もすごく白いんです。たぶん年と共に色素が薄くなる家系なのかなと。それもあるのか、最近似合うトーンが変わってきたんですよ。好きだけど自分には似合いづらいなと思っていたトーンのベージュも、ここ数年でなじむようになってきて。それが地味に嬉しかったり(照)。ヌードカラーって、大人っぽくて女性らしいじゃないですか。本来、私そういうムードが好きで。でも、その感じが妙にハマり過ぎるのか、いつもそこを避けた方向性をみんなすすめてくれるんですよね(笑)。あ、ショートカットもそうで。ホントは、長い髪をバサッと掻き上げる仕草に憧れがあったりするんですけど。それはキマり過ぎだからやめたほうがいいよって言われちゃう(笑)」 ――掻き上げロングの長澤さんは意外です(笑)。周りの意見やアドバイス、柔軟に取り入れていくタイプなんですね。 「わりとそうかもしれないです。役を演じるうえでも、そういう姿勢って重要だったりするんですよ。求められるものに応えていくのも仕事の一環なので。普段から“私はこう!”っていう自己主張ばかりがいいわけじゃないかなとは思いますね」 ――トレンド関係なく、ご自身が着ていて落ち着くのはどんな服ですか? 「男性的というか、メンズっぽい服が好きです。肩幅が結構あるので、昔からあえてメンズを選んだりしていました。子どものころから背が高かったから、インポートの洋服も着心地よくて好きだった記憶があります」 ――なるほど。“メンズを着る”を若いころから実践されてたワケですね。 「体形的にやむを得ず、ですけどね(笑)。あとは基本シンプルな服が多いかな。そのぶん、素材がいいものを選ぶようにはしています。そうすれば長く着られるし。ニットなんて、もう何年もずっと同じの着てるな~。もちろん新しいのも買うんですけど、サッと手が伸びるのは長年着てるやつなんですよね(笑)」 ――分かります(一同頷く)。ちなみに、この人のファッション好き♡ って方はいますか? 「え、むしろたくさんいます。言い出したらキリがないくらい(笑)。自分に似合う服を着ていて、その人らしいハズし方をしてる人を見るとおしゃれだなって思いますね。先輩の野波麻帆ちゃんとか。何でもない服を着てるんだけど“らしさ”がちゃんとあって、例えボロボロの服を着ていようが洒落て見える人。憧れます」

現代社会のリアルに切り込む作品は、人間の複雑さを実感させてくれる

――前クールのドラマ『エルピス』、スリリングな展開で本当に面白かったです。なかなか難しい役どころだったのでは、と。 「芝居としては面白いんですけど、やっぱり辛かったですね(笑)。人間の多面性みたいなものがこう、生き生きとリアルに描かれていた作品だったので。決して分かりやすい展開ではなかったぶん、共感してもらいにくい箇所もあったかもしれないと思うんですけど。人間の愚かさや人生の理不尽さが露呈するような作品はぐっときます」 ――3月24日公開の映画『ロストケア』では、検事役を演じられると伺いました。 「はい、今回初めて検事の役を演じています。取り調べを通じて、松山ケンイチさん扮する容疑者の真意に触れていくんですが、二人だけの緊迫した対峙シーンが多くて。それが物語の軸であり、見どころでもある。松山さんとは初共演なんです。独特な魅力をお持ちの方だと感じていたので一緒にお芝居するのが楽しみでした。正しさとは何なのか、私自身悩み迷いながら向き合った作品です。ぜひご覧ください」 長澤まさみ(ながさわ・まさみ) 1987年、静岡県出身。アカデミー賞をはじめ、名だたる映画・演技賞に輝く他、前クールのドラマ『エルピス』エンディングにフィーチャリングとして参加するなど、歌唱やナレーションなどの活動も話題に。葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を映像化した映画『ロストケア』が3月24日公開。

photo:MASAMI / NARUO[SEPT] / styling:YOKO KAGEYAMA[eight peace] / hair: KENICHI[SENSE OF HUMOUR] / make-up:YUMI ENDO[eight peace] / model:MASAMI NAGASAWA / interview & text:NAO MANITA[BIEI]

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