うつ状態だった心とからだを大切にするためLAへ。33歳のローラ、オトナミューズ初登場!
ALL ABOUT ROLA【素顔のローラを追いかけて】
今月号の表紙を飾るのは、初登場のローラ。2016年に拠点をアメリカに移して早7年。自身でサステイナブルなライフスタイルブランドSTUDIO R330を立ち上げ、ラグジュアリーメゾンやハワイ州観光局マラマハワイ・アンバサダーを務めるなど、グローバルに活躍する彼女の“33歳のひとりの女性”としての今を知りたくてLAに飛んだ。自然の中で解き放たれるシャイなローラのピュアなハートを感じて。
—インタビューは2日間にわたる撮影が全て終わった昼下がり。最近LAで流行っているというルーフトッププールが併設された会員制の心地よいカフェバーで。大きな窓から差し込む日差しが、私服に着がえリラックスしてソファーに座る彼女を包み込んでいるようだった。
「ロスはね、もういつもいいお天気。でも雨がパッと降るとさらに空気も綺麗になるから、今すごくいいエネルギーで満たされてると思う」
84年ぶりというトロピカルストームが去った後に覗いたのは、雲ひとつない青空。澄んだ空気のなか、間近で見るローラは可憐さに満ちている。
33歳になったローラが語る人生の分岐点と今の心境
初めて直接、彼女と対面してみて受ける印象は、モードな服をクールに着こなす写真から想像する近寄りがたさでもなく、バラエティ番組の姿から想像する弾けた陽気さでもない。大きな瞳でこちらをまっすぐ見つめる、少しシャイなひとりの女性。言葉を選びながら丁寧に語る、生真面目なまでのその姿から素顔のローラが見えてきた。
「まずは、素晴らしいチームのみんなと一緒に撮影ができたことがすごくよかったなって思っているのと同時に、なんか大人になったんだなって感じました(笑)。だって基本的に30歳以上でないと出られないでしょう? ミューズからは、日本でたくさんの女性たちの傍に寄り添って、一緒に強く、楽しく、輝いていこうっていうパワーをすごく感じるの。そこが好きで、そんなエネルギーと一緒になれたことがすごく楽しくて。たくさんの女性たちを応援できるような、一員になれていったらいいなって」
心とからだの健康を第一に考えたワークライフバランス
ファッションアイコンとして名だたるメゾンのアンバサダーを務め、コレクションやカンヌ国際映画祭など、華やかに世界を飛び回る彼女だが根は真面目。だから、“バラエティタレント・ローラ”の爆発的人気が巻き起こす狂騒のなか、うつ状態だった自分の心とからだを大切にするために拠点を海外に移すと決めた。7年前、大きな決断だったというそれが正しかったかどうかは、今の彼女を見れば一目瞭然。発信するメッセージも以前とは変わっていった。
「全くだった英語もだいぶ喋れるようになったし、こっちで自分の心を見つめなおす時間も取れて、運動したり、食を変えてみたり。丁寧に暮らしを整えていくことで、なんていうのかな、今はやっと、少しずつ自分の中に芯が作られてきてる感じがする。前は間違えることを恐れて縮こまっていた部分も、気にならなくなったし。分からないことは正直に尋ねたらいい。そうやっていたら、なんだかすごく楽になった」
それは今回のロケで、同じLA在住のヘアメイクチームや親しい友人たちといる姿を見ただけでも伝わってくる。リラックスできる環境で、心許せる人たちと過ごしているんだなということが。
「ありがとう。そう、すごく素敵な人がいっぱいいるの。私はこっちに来て少しずつ、うつ病から元気になっていったんだけど、その経験を生かして、今同じような気持ちになってる人を支えられたらいいなと思って。SNSを通じて心とからだの健康の大切さを発信してる。これから先、もっと私らしくポジティブに伝えられるよう、勉強もしてるんだ」
常に学び続けるストイックなディレクターとしての横顔
そう語る彼女はとても生き生きしていて、ロスでの生活を満喫しているように見える。
「うん、そうだね。30代に入ってものすごく楽しいの。だから40代はもちろん、50代になることも楽しみ。40歳までになりたい理想の姿はもう頭の中にあるから、そこに向かって後悔のないよう毎日コツコツ準備を始めてる」
キャリアはまさに絶好調で、2020年にローンチした、自身がクリエイティブ・ディレクターを努めるエシカルでサステイナブルなライフスタイルブランドSTUDIO R330も波に乗っている。周囲から見ればうらやましい限りだが、そんな彼女も、日々困難に立ち向かっている。
「環境に配慮した物作りって、思っていたより数倍大変で。毎回、少ない選択肢の中から、どうやってうまく理想を形にしていこうか、たくさんの打ち合わせを重ねて、話し合いながら試行錯誤してる。私もこだわりが強いほうだから。いいバランスを探しながらビルドアップしてる感じ。そのプロセスをなるべく楽しみながらね(笑)。頑張った分、少しずつだけど確実に成長していくし、それによって自信もついてきた。今は、会社を経営することの大切さとか、難しさも学んでる。みんなが聞いたらびっくりしちゃうくらい少人数のスタッフでやってるから、いろいろ大変なの(笑)」
そんな真摯かつ真剣な姿勢は、生み出されるプロダクトに反映されている。これから先のビジョンはもう何かあるのだろうか。
「アロマとハーブもすごく好きで、資格を取ったの。STUDIO R330 はライフスタイルブランドだから、服とは違うものも開発していきたいなと思って。しっかり全体を見て勉強しなきゃだから、たくさん本を読んでる。時間がかかってしまいそうだけど、ゆっくり、自分のペースで。それから、ロスで再会した昔の仲間たちが、映画を作ってるんだけど、それに向けて実は演技のトレーニング中なの。うまくいくといいなって、すごくワクワクしてる!」
抜群のセンスを生かしてますます存在感を示していきそうな彼女に、どうしたらそんな風に生きられるの? と聞いてみた。
「自分を知ることかな。人生は全部自分で選択したものでできているって思うから。どこに住むか、何をするのか、どんな人たちと一緒にいるのかも。人間はみんな、幸せになりたいって思ってるじゃない? だから、自分は何にワクワクするんだろうっていう気持ちをフォローしながら、進んでいってみるといいのかもしれない。今、自分の周りにいる人たちは、そうやって生きてきたんだろうなって思うほんとうに美しい人たちばかりで……。彼らから刺激を受けながら、私もまだまだ学んでる。ときどき、ちょっと傷ついちゃったりとか、いろいろあるけど、それが成長させてくれてるんだなって思って、ネガティブをポジティブに捉えて考えるようにしてる」
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photograph:HIROYUKI SEO styling:KAZUE MIZUSHIMA hair:YUICHI ISHIDA make-up:ERIKA ABE model:ROLA coordinate:MAKI KONIKSON[Konikson Productions, LLC.]
otona MUSE 2023年12月号より