真面目さって狂気。菅野美穂が京都で語った『ゆりあ先生の赤い糸』出演を即決した理由
菅野美穂、クラシックとモダンの邂逅。【Miho Kanno IN KYOTO】後編
菅野美穂さんと訪れたのは、木々が色づくほんの少し前の京都。観光客で賑わうエリアから西に外れた静かな古刹「妙心寺 退蔵院」を特別にお借りし、撮影を行いました。纏うのはエルメスやヴァレンティノ、フェンディなど、メゾンブランドの秋冬コレクション。和と洋、クラシックとモダン……相反する世界観が不思議と調和する、スペシャルなカバーストーリーをお届けします。デビュー30年の節目を迎えた俳優・菅野美穂さん。40代を折り返した今も清々しいほどの真面目さをたずさえて新たな挑戦に向かっている最中。
得難い出会いに感謝。難役でも迷わなかった
—現在、主演ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』が放送中です。突然、夫の介護が始まり、夫の彼氏や彼女、隠し子の発覚など、人生における試練やトラブルが一度に降りかかる難しい役ですが、オファーが来たときの心境は?
「実は迷うことなくお受けしました。まだちょっと子どもが小さいというのもあって、以前に比べて携われる作品がすごく少なくなった中で、これだけやりがいのある作品でお話をいただけたのが光栄なことですし、得難い機会。脚本が橋部敦子さんであることも大きかったです。これまで橋部さんの脚本に何度も感動して涙してきたので、今回ご一緒できることが本当に嬉しかった。三田佳子さんと共演できることも夢のようです。芸能界に入る前に、三田さんの映画『遠き落日』を観に行って、子ども心に母の愛にすごく感動したのを覚えています。『三田さんと私が共演できるの!?』と、ちょうど聞いたときに焼肉屋さんにいたんですけど、火加減が命のネギタン塩を焦がすほどびっくりしました。逆に今になって、私ちゃんと演じられているかな? と心配になっています」
photo:TISCH[MARE Inc.] styling:CHIKAKO AOKI hair & make-up:KEIKO CHIGIRA[cheek one] produce:MAKI KONIKSON[Konikson Productions,LLC.] model:MIHO KANNO interview & text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年1月号より