真面目さって狂気。菅野美穂が京都で語った『ゆりあ先生の赤い糸』出演を即決した理由
—演じているゆりあ先生について、菅野さんの心に響いた部分は?
「損得ではなく、どこか人に対して寛容なところはすごいなと思います。真面目過ぎて全てのトラブルをたったひとりで背負いにいく愚直さもありながら、夫以外の男性に心が惹かれてしまう。ゆりあ先生を応援したくなるのは、決して完璧ではなく、そういった矛盾を抱えているから。頭だけでも演じられないし、心だけでも演じられない役であり、私にとっても挑戦なんだなと思っています。改めて感じたのは、真面目さって狂気でもあるなということ。“こうあるべき”という真面目さは、気づかないうちに自分を壊してしまうかもしれない危うさがあって、真面目=正義だと思うほど苦しさや辛さを飲み込んでしまいがち。自分が壊れる前に違う選択をすることは逃げでも間違いでもないので、ゆりあさんの生きる姿が何か考えるヒントやきっかけになったら嬉しいですね」
photo:TISCH[MARE Inc.] styling:CHIKAKO AOKI hair & make-up:KEIKO CHIGIRA[cheek one] produce:MAKI KONIKSON[Konikson Productions,LLC.] model:MIHO KANNO interview & text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年1月号より