今月のカバーミューズは
初登場の満島ひかりさん

「色んな方の才能と共に何かを起こす“現象”でありたい」と語る満島さん。今回のようなファッション撮影も芝居も、アプローチは同様。

オトナミューズの表紙、初登場ありがとうございます。 「こちらこそです！ ちょうど30代半ばを迎えたタイミングでしたので、オトナと名の付く雑誌の表紙、楽しみにしていました。いつもなら恥ずかしがってしまう、堂々と女性っぽい気分を撮影しよう、なんて打ち合わせをして。いい撮影時間でした」 経験のないことにチャレンジしてみたい、という気分でしょうか？ 「使ってない筋肉を動かすぞ、って気分です。30代後半は冒険したい気分に目覚めています。からだと心が健やかで丈夫であれば、色んな才能の方とイメージをカタチにしていけるし、頭で考えるよりも、からだを動かしていたい。“現象”でありたいです」 本能的に動いちゃう感じですか？ 「本能や直感は大切だし、ハプニングがあってもブレないセンスも大切ですよね。本当は、できるだけちゃんとしたくないんです（笑）。好きなことだから自然と頑張れたり、人から大変そうと思わ れることも楽しめたり。お芝居の台本は、あまり読み込むよりも、本を閉じて読後感で空想している時間がほとんどです。覚えるより、演じる人物の生きてきた、人生から出た言葉に聞こえる感じの、それこそ“現象”になればなと。迷ったらなるべくふざけた方を選ぶのも、私には大切なことです（笑）」 珍しい方向性（笑）。 「（笑）。例えばお料理とかだと、みんなと共有して美味しいねって気持ちになるのが大好きなんですけど、お芝居のときは、どれもみんなに理解できる感情になるのは間違ってるんじゃないか、って家に帰ってから不安が襲ってくることもある」 満島さんのお芝居って、どこかに不思議な面白さがあるのはそういう気持ちからなんですね。 「へなちょこなときも含めて一生懸命、たまにゆるく、私にしかできないことをやっていきたいです。才能豊かな方々と面白セッションしながら」

では最新作となる映画『サンダーバード55 ／GOGO』の吹き替えはいかがでした？ 「昔からのファンが大勢いらっしゃる作品なので、ちょっとしたプレッシャーはありました。けれど、声を担当することになったペネロープさんがチャーミングでユーモラスで素敵なこととか、“超”がつくほどの作品のマニアックさとか、大好きなテイストで。イギリスの制作陣はこの作品のために、気の遠くなるような時間をかけて愛を注いでいる。そんな作品の作り手のひとりに入れてもらえたことが光栄です」 もともと黒柳徹子さんが吹き替えをされていた役ですね。 「私がやっていいのかな？ と思いました。徹子さんにとって大切な役だと感じるので、その点はまだ緊張です。でも、『トットてれび』で徹子さんを演じさせていただいて、その徹子さんが演じた役も担当して、そんな縁に恵まれたことに嬉しさしかありません。観たことがない方も、子どものころ好きだった方にも、オシャレなおすすめ映画です」 子どものころに観たという方も、今の目で観たら違いますよね。 「突っ込みどころ満載で面白いんです。個人的には、泥棒がつかまったときにペネロープが皮肉を言い続けるシーンが大好きで（笑）。収録のときに、今私、脂が乗ってきた！ って感じたシーンでした（笑）」 ちなみに2022年の“初買い”は、なにを買おうか、計画してます？ 「えー……なんでしょう。普段、自分のものを買うことより、誰かへのプレゼントを買うことが多くって。だいたい香りのものか、健康のためのものが多いですね。手に取って“これは健やかな気持ち になるな”っていうものと出会うのが好きで。それをピンときた友人や家族にあげて、何か別のモノやコトと、物々交換しているんです（笑）」

ABOUT MOVIE スーパーメカ・サンダーバードを有する秘密組織・国際救助隊とエージェントのペネロープが、災害などの危機から人々を救う―。1965年にイギリスで放映開始され、全世界で愛される伝説的特撮SF人形劇『サンダーバード』。これまで幻とされてきた3話分の脚本を、当時の伝統的技術を駆使して撮影した新作だ。