楽しいこと=愛情だと確信に変わった。長澤まさみが語る、野波麻帆にスタイリングを依頼した理由
MASAMI NAGASAWA【長澤まさみ的。】前編
今月号の表紙&巻頭のスタイリングを手がけたのは、俳優の野波麻帆さん! 長澤まさみさんとは同じ事務所の先輩後輩、というだけでなく、プライベートでも親交の深い友人同士なのだそう。今回の企画は、そんなおふたりの関係から生まれたもの。「私より私のことをよく分かっている人」と、長澤さんが絶大な信頼を寄せる野波さん。彼女がこの日のために用意した5ルックは、普段メディアでは披露する機会の少ない、長澤さん「らしさ」が溢れるものばかり。野波さんの愛とセンスが炸裂したスペシャルなファッションストーリー、ぜひご堪能ください♡ 作品や役柄を背負わず、メゾンの最新ルックを纏うでもない。ただ自分らしくありたいと望む、既視感のない長澤まさみと出会った。「愛を注ぎ、楽しみながら仕事と向き合いたい」、澄み切った意志に導かれて。
今回のファッションストーリーは、長澤まさみさんのパーソナリティを知り尽くした俳優・野波麻帆さんによるスタイリング。公私を飛び越えた特別な試みといえるわけだが、そこに至った経緯を伺うと、思いがけず長澤さんが抱えていたもどかしさに触れることになった。
「表紙のオファーをいただいたことがきっかけではあったんですけれど、私の中で、もっと楽しいことがしたいという思いがふつふつと湧いてきたタイミングと重なっていたんですね。去年から、お仕事とはいえ与えられたミッションをクリアしていくだけの価値観じゃなくてもいいんじゃないか? もう少し楽しみながら仕事と向き合ってもいいんじゃないか? と自分の心に問いかける機会が増えていて。もちろん仕事ですから、常に責任はついて回るものですが、私が楽しんでやっている姿を見たら、みなさんも同じように楽しい気持ちになってくれるはず。そんな考えと向き合う時間を抱えていました。今回、スタイリングを担当してくれた野波さんは、事務所の大先輩でもあり、私が悩んだり、立ち止まったりする折々に必ず会いにいく信頼している人。先輩ですが友人でもある、私にとって稀有な存在です。2人で久しぶりに近況のキャッチアップをしていたときに、『お洋服、楽しいよね』という話から、野波さん自身の洋服との向き合い方に触れて、『今、スタイリングの仕事をすごくしたいし、今ならまーちゃんのことをすごく可愛く見せることができる!』と真正面から気持ちをぶつけてくれて。そんなふうに愛を持って接してくださったことで、愛こそが今私が一番求めていたことだったんだと気づかせてもらえたんですよね。“楽しいこと=愛情”という結論にはうっすら気づいていたものの、どこか信じきれずにいて、野波さんからの愛を受け取ったときにやっと確信に変わった。何事も取り組む上で愛情や情熱を注ぐのは自分に課せられた責任のひとつだと捉えていたつもりだけど、もしかすると最近の私には愛がちょっと足りていなかったのかもしれない。自分が求めていたものが愛だとクリアになったとき、ぜひ野波さんと一緒に仕事がしたいと思って、今回の企画が実現しました」
photo:SHUNYA ARAI[YARD] styling:MAHO NONAMI hair:RYOJI INAGAKI[maroonbrand] make-up:KOTOE SAITO styling cooperation:RANKO ISHIBASHI model:MASAMI NAGASAWA interview & text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年4月号より