生かす努力をしなければ才能はなくなってしまう。映画『四月になれば彼女は』長澤まさみインタビュー
才能だけでも、長年のキャリアや培った経験則でも戦えない。「もし、それができたとしても、やっぱりそれじゃつまらない」と長澤さん。
「誰しも何かしら才能を持っているはずなんですけど、才能があってもそれを生かす努力をしなければ才能はなくなってしまうと思います。才能をうまく自分で育てることができなければ、どんなに素晴らしいものでも誰の心にも誰の目にも届かないものになってしまうから。私は怠らずに向き合っていきたいですね。惰性ではいられません。私、そんなに器用じゃない上に、けっこう物事をシビアに見てしまう性格だから、う〜んと悩んだり、あーって落ち込んで、自己嫌悪に陥ることもいっぱいあります。反省することは大事ですけど、とはいえ後悔しても仕方がないし、背負い過ぎなくていい。今回の映画の内容とも重なるんですが、人生において過去に折り合いをつけて、次に切り替えることって悪いことじゃない。生きづらい世の中だけど、少しずつ少しずつ自分のペースで、自分にとって大切なものを見極めていく。そこに愚直に向き合うこと、それこそが人生の意味でもある。適当に生きれば、適当に生きられちゃうけれど、『それで楽しいですか?』と問いかけられているような気がします。特に、人間関係においては、相当フィーリングが合うとか奇跡が起きない限り、やっぱり近道はできないんですよね。信頼関係を築くという点でも、時間は必要で、サボっちゃうとサボっただけのものしか手に入らない」
photo:SHUNYA ARAI[YARD] styling:MAHO NONAMI hair:RYOJI INAGAKI[maroonbrand] make-up:KOTOE SAITO styling cooperation:RANKO ISHIBASHI model:MASAMI NAGASAWA interview & text:HAZUKI NAGAMINE
otona MUSE 2024年4月号より