俳優・中村倫也 初の料理本「THE やんごとなき雑炊」がおもろ美味しい!
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』のまあくん、TBS系列のTVドラマ『凪のお暇』のゴン、ブルボンの『ルマンド』のCMなど、役柄のフワッと包み込むような雰囲気と佇まいから、癒し系と評される俳優、中村倫也さん。料理好きな中村さんが初の料理本「THE やんごとなき雑炊」(KADOKAWA)を上梓したと聞きつけ、インタビューを敢行! 癒し系の素顔をさぐってきました。
なぜ、雑炊をピックアップ? 湧き上がる疑問を中村さんにぶつけます
━━ 初の料理本を発売されたとのこと、おめでとうございます! それにしても、一冊丸ごと雑炊がテーマで20のレシピが掲載されているということに驚きました。どんな経緯でテーマが「雑炊」に決まったのですか。
中村倫也さん(以下敬称略)「元々、本とマンガの情報誌『ダ・ヴィンチ』で【THE やんごとなき雑談】という連載をやっていて、そのタイトルの字面から言葉遊びみたいに“雑”が付く言葉を連想したんです。料理も好きだったので、何か仕事としてかたちにしたいということもあり、雑炊、いいじゃんと。雑炊はいろいろな素材をごはんと一緒に炊く料理ですが、縛りがあるようでないし、ジャンルもあるようでない。可能性が広がりそうな面白さも感じていました」
━━ 確かに、ひと口に雑炊といっても、和の出汁ベース、鶏ガラベース、トマトベースなど、バリエーション豊かにレシピが載っていてそれだけでも楽しそうです。それにしても料理で面白さを求めるとは……。
中村「やるなら無理めなことをしたいという性分なんですよ。そもそも『ダ・ヴィンチ』で料理をテーマにということ自体、あまりないでしょ(笑)。でもそこはプロの集団なので、料理監修のタカハシユキ先生の力もお借りしてレシピとしても美味しいものに仕上がっています。それに作っている工程や先生と交わした会話もライターさんに記録してもらっているので、作り方のレシピではわからない、料理の段取りにもさまざまな発見があると思います。読んでも面白い料理本になったかと」
━━ 中村さんが作った雑炊からのインスピレーションで書かれたエッセイも面白かったです。
中村「できあがった料理を食べながら、幼いころの思い出が思い浮かんで書いたものもあるし、材料から連想して書いたり。たとえばそら豆を見ていたら、名前の由来が気になりだして、そこから物語を考えたり。連想ゲームが好きなんですよ」
━━ 雑炊なら料理が苦手でも作れそうですね。ちなみに、収録されたレシピのなかで簡単でオススメなレシピはありますか?
中村「先生の考案をもとに、自分が作りやすいようにアレンジしたレシピがあるのですが、それは簡単ですよ。缶詰を使ったりしているし。あとは切る工程が生姜しかない卵と鶏肉を使った、天津飯みたいな雑炊ですかね。雑炊ってごった煮していい料理だから、普段は食べ方がわからない野菜とかを食べられるのもいいですよね。食べ方に困ったら雑炊で、って思ったら気楽になるでしょ」
photograph_KAEDE HARA, hair & make-up_RYO MATSUDA[Y's C], styling_AKIHITO TOKURA[holy.], text_MASAKI TAKEDA[MINEO-SHA]