「彼女の本に救われた」吉川ひなののミューズは『毒親の棄て方』セラピストのスーザン・フォワード
創刊10周年を迎えたオトナミューズを体現するモデルや、新たな視点を教えてくれる連載執筆陣の皆さんに、「あなたにとってのミューズは?」と質問をぶつけてみました。自身の人生観やファッション、ライフスタイルにおいて、彼女たちはどんな人物に注目し、影響を受けているのでしょう。吉川ひなのさんのロールモデルは?
HINANO YOSHIKAWA
▶︎ Dr. SUSAN FORWARD
「『毒親の棄て方:娘のための自信回復マニュアル』などの著書で世界的に知られるセラピストのスーザン・フォワードさん。人にはそれぞれ生い立ちというものがあるけれど、幼少期の家庭環境に問題がある場合、後にその影響が生きづらさとなっていろんなところに出てくる。でもその理由は家庭環境にあると気づくのにまず時間がかかったり(なぜなら子どもはだいたいのことを自分のせいだと思ってしまうため)、やっと原因が分かっても具体的にどうしたらいいのか見当もつかなかったり。そんなとき、こういうセラピストの存在はとても大きな救いになる。私が彼女に夢中になったのは、他のセラピストが皆“人を許すこと”と諭す中、彼女だけは(私の知る限り)まだ解決していない、謝罪もされていないことを一方的に許す必要はないと断言していたから。もちろんプロセスを踏んで許せるのであればそれがベストだとは言っているのだけど。確かに、謝罪もなく何も解決していない状況で一方的に許さなきゃいけないのっておかしいよね。“受け入れる”と“許す”は違う。もちろん私も、全てを受け入れて誰のことも許して生きていきたい。ただ、一方的に許すことは、さらなる負担と傷になって、自分が二次被害、三次被害に遭うだけ……とも思う。できる限りフェアに、気持ちよく生きていきたいですよね。彼女の本で救われた人、たくさんいるんじゃないかなぁ」
text:NAO MANITA[LIKECOME]
otona MUSE 2024年5月号より