竹下玲奈が語る、
「40歳が、あまり怖くない」ワケ
愛らしい笑顔と、陽気でナイスなキャラクター。私服は独創的かつブレないオトナミューズのおしゃれ番長としてその名を馳せるモデル・竹下玲奈さんが、先月12月17日で40歳になりました。おめでとう!
女性なら節目に感じる人も多い、40歳という数字。40歳に向けた決意とか、40歳になりたくない気持ちとか。40歳記念に買おうと思っているものとか、もしかしたらあるかも? と尋ねてみたのですがやっぱり「あんまりないんです」との回答。「でもそれは、この環境にいるからだと思います」と珍しくきっぱり言い切った、玲奈さんなりの考えをこちらに。
モデルも、スタッフも、周りの年上の
女性がみんな楽しそうなんですよ
──竹下さん、40歳記念企画です。なにかご自身で40歳をきっかけにやろうと思っていたり、欲しいと思っているものってありますか?
「それが、特になくて。車は欲しいんです、280Eのベンツ。でもそれは別に40歳とは関係なく(笑)。37、38歳くらいのころは『うわ、何年か後に、40歳だ!』と思っていたんだけど、近づけば近づくほど、気にならなくなっちゃったんですよね。この間エナソルーナの展示会で(佐田)真由美ちゃんにお会いしたんですけど『やっぱりこの人、キレイだなー』って(※佐田さんは竹下さんの4歳上)。すごいんですよ、本当に。肌とかも本当にキレイなの。一体、何やってるんだろうって聞いたら水素を吸いまくってるって言ってたけど。
そういうモデルの先輩だけじゃなくて、スタイリストさんとかヘアメイクさんとか、お仕事で会う女性って年齢が私よりちょっと上な方が多くて、50代に突入した方もいるけど、みんなすごく楽しそうで、キレイで。1月号で風間ゆみえさんに会ったときもそんな話になったけれど、もう、私が40歳になるとかどうでもよくて言えなかったもん(笑)。
きっとみんな、見えないところですごく努力しているんだろうけど、それを見せずに楽しくするのも上手だし、そこが大人だなって思うんです。私も気を抜かずに、これからももっとキレイを目指して努力しようって、前向きな気持ちで向き合えていますね」
──確かにオトナミューズ界隈のお姉さま方、みんな元気ですもんね。
「ね。しかも、みんな楽しそう。そういう環境の影響が大きいと思います。これが疲れたりイライラした人たちばっかりだったら、私も年齢を重ねることにネガティブな思いを持ったかもしれないけど……、だから戻りたい年齢っていうのもあんまりなくて、あ、私ね、1カ月に1回くらい『いつに戻りたい?』って自分に問いかけるんだけど、『ないな』『あ、今月もないな』って。もし生まれ変わるなら国籍から変わりたいと思ったりはするけど」
──例えばどのあたりに……。
「え、フランスー♪とか、エーゲ海~! とか。んー、ドイツ? でもいいし。どうせ生まれ変わるならそのくらいのほうが楽しそうじゃないですか。日本とは違う美味しいものがありそうだし」
──年齢関係ないですよね。それ、ただ旅行に行きたいって話じゃないですよね? まあ、そのくらい今を楽しんでいらっしゃるってことは分かりました。
「本当に最近思うのは、もう、3日前のことすら覚えていられないってことですね」
──いきなり老化の話ですか?
「あはは(笑)。いい意味で忘れていくんですよ、寒かったとか暑かったとか、ツラかったこととか、ほとんど覚えてない。無意識にじゃなくて生活の一部、からだの一部としてお仕事しているからかな、もしイヤなことがあっても上手に忘れていくし、次に進むためにどうしていこうかなって、前向きに切り替えができるようになったみたいなんです。若いときはわりとネガティブなことを覚えていて、ツラいときもあったんですよ。そんな気持ちを隠さないと仕事にならないから、すっごい我慢したことだってあったし」
──確かに、オトナミューズが創刊した32歳くらいのころより、今のほうが楽しそうで元気な印象があります。
「そうなの! 当時ナヨナヨ悩んでることも多かった。自信がなかったからだと思います。自分の気持ちがどこにあるのか分からなくて、笑えないときもあって。結構キツい時期もあったんですよ。でもそのころオトナミューズができて、笑わなくていい、……笑わなくていいってのも変なんだけど、そんなに表情はにこにこハッピーじゃなくていいですよって言ってもらえて、実はすごく助けられたの。なんかね、等身大だった。結婚・出産を経た自分に合うというか。自分そのままを受け入れてもらえる気がしたんですね」
──……別にオトナミューズに載るからって、気を使っていいこと言ってもらわなくていいですよ。あと、万が一イヤなことあったら我慢しないでその場で言ってくださいね、これからも。
「うん。なんかもしここでぐっと我慢してしまったらその先どんな気持ちになって何が起こるのか経験で学んだから、もともとわりと胸にしまって我慢するタイプなんだけど、あとのことを考えたら今言ったほうがいいって思えるようになったかな。でもね、最近本当に忘れちゃうの(笑)。
あ、年齢を重ねるデメリットとしてはお肉が落ちにくくなって服が入らなかったりすること(笑)? 本当は好きに食べたいし飲みたいし、太っても好きなことしたい気持ちはあるけど、体形の調整には我慢も必要だから、そこはプロとして頑張れるようになったよ。あはははは、私、言ってること小学生?
なんかね、1カ月前くらいから『40歳企画に何かネタあったほうがいいかなー』って考えてたんだけど、本当に特になくて。まだ追いついてないだけなのかもしれない、精神年齢が、実年齢に。ただ本当に、……ごはんをお腹いっぱいに食べられることが、一番幸せだなーって思ってるの。なんか、あんまり昔より悩みがなくなったんです」
──それは何よりですよ。結構気合を入れて40歳になる人も記念にアレコレする人もいるんですけど、玲奈さんはそのままサラッと40歳も楽しんでください。いくつになっても汚いデニムとコンバースで、ボロ布みたいなミリタリーシャツを着ていてください。
「うん(笑)。だからオトナミューズを読んでいるみんなにも、怖がらずに好きな格好をしてほしいなって私は思っていて。そりゃ、体形はちょっとは変わってくるかもしれないけど、『何歳だから』『もう大人だから』って『だから何?』って思っちゃう。
あ、でもルビーナ錠とかは飲んでるよ。ちょっとイラッとしたらキッチン行って4錠飲んで、15分してフーッて落ち着いたら『あれ、なんで怒ってたんだっけ?』ってなるから、そういうものには頼ったりしている。そういう変化はあって、これからも増えるかもしれないけど、でも本当に、なんの気負いもなくて。完全に周りの人たちのおかげですね」
──どうしますか、「37歳、輝く季節が始まる!」なミューズ読者の方から『玲奈ちゃんみたいに楽しく40歳になるにはどうしたらいいですか?』って聞かれたら。
「うーん、私みたいに、楽しそうな年上の友だちをたくさん作ってください、ってのも難しいよね……。だったら、オトナミューズ読んでください♡」
──だからPRしなくていいです(笑)。
「いや、ホントに思っているの(笑)。『あー、40歳でもこんな格好していいんだ!』って勇気を持ってもらえると思うもん。私も一番等身大で出させてもらっているし。私はこの先も多分、汚いジーパンもコンバースもはくと思います。ミリタリーシャツも、破れても縫って縫って着ると思います(笑)。オトナミューズを開くといろんな楽しそうな人がいるから、見ているだけで、きっと私と同じ気持ちになってもらえると思うんだけどな」
いかがでしたか? 40歳を迎えた竹下さんからも目が離せませんね! これからも等身大の竹下さんをオトナミューズでお楽しみください♡
photograph:MASAYA TANAKA[TRON] / styling:AKIKO KIZU / hair & make-up:TOMOE NAKAYAMA / model:RENA TAKESHITA
otonaMUSE 2022年2月号より