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よしひろまさみち

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「受からなかったら私のキャリアは終わり、という覚悟で挑んだ」Netflix「極悪女王」唐田えりかインタビュー

長与さんを描いているはずなのに、ちょっと自分でも驚くくらいに近いんです

――現場に入ったときもその熱量をキープしてました?

唐田 キープせざるをえないという感じでした。というのも、現場で白石さんが段取りをするときも、はっきりはおっしゃらないんですが「なに? 何を見せてくれるの?」っていう雰囲気を出すんですよ。そこを楽しんでいる部分もきっとあるんだと思うんですが(笑)。

――うわ……白石さんらしい。すごく温厚で俳優に任せるタイプですもんね。

唐田 そうなんです。芝居は自由なんですが、その分こちらも考えることが多くて。試されている感覚はありました。

――想像と違いました?

唐田 もっといろいろと指摘されるのかと思っていましたし……怖い人かな、って思っていたんですよね。白石さんの作品は強烈ですから。でも、ぜんぜんイメージと違って「もう自由にやってよ」という感じで。俳優のことを100%信頼しているのが伝わってくるので、それで私も答えないといけない、という緊張感がありました。

――しかもそれが成功していますよね。唐田さんはもちろんですが、レスラー役の皆さん、内面までそっくり。プロレス世代だから分かりますよ。

唐田 ほんとびっくりしました。私もそうですが、みんなの役も当て書きなんじゃないか、っていうくらいに演者と近くて。素の自分たちと役柄がうまくハマるように書かれていたんです。

――唐田さん、さきほど「長与さんと近いところがある」っておっしゃってましたけど、そこも汲み取られていました?

唐田 長与さんを描いているはずなのに、ちょっと自分でも驚くくらいに近いんです。私は、静かな印象だと思われることがあるのですが、実際は劇中の長与さんに近くて、すごく感情が表に出るんです。それはだいたいみんな驚かれるんですよね。これまでも作品でお会いした方々がそうでしたから。でも、今回この役を演じてみて、逆に長与さんのここは取り入れようと思ったこともありました。

 

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photograph: KAZUYUKI EBISAWA[makiura office]
interview & text:MASAMICHI YOSHIHIRO
styling: AMI MICHIHATA
hair & make-up:IZUMI OMAGARI

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よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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