現在51歳CHICO SHIGETAさんから学ぶ、「40代から軽やかに更年期を乗り越える方法」
からだの変化は成熟の証。40代はプレッシャーというリュックサックを降ろして、もっと身軽にエンジョイしてほしい
CHICO SHIGETAさんは、“チャーミング”という言葉がピッタリな人。いつ会っても、とびきりの笑顔で迎えてくれ、自身が持つ知識や経験を惜しげもなく伝えてくれる愛に溢れた女性です。そんなCHICOさんも、女性には平等に訪れる更年期という心身の変化に対面しているそう。
「ありがたいことに、30代まではからだや心のアップダウンって、全くなかったんです。全力で仕事モードだったこともあって、いつだって心身真っ直ぐだったのが、43歳の出産後から精神的なアップダウンを初めて経験しました。急に自信がなくなって、自分がやっていることを無意味に感じたり、ダメ出ししたり、不安な気持ちが突然スポットライトを浴びるかのように現れるように。不眠になり、大変でしたね。それがあるとき、その不調は新月の前にくることがわかったんです。2日くらい暗黒な日が続くと、新月が来る……というサイクルを知ったら、急に付き合いやすくなった。そういうものだから、仕方ないと受け入れたら『もう、自分が底辺にいるときには、余計なことをするのはやめよう』と割り切れるようになったんです」。
出産後の気持ちのアップダウンだけでなく、40代後半からは疲れやすくなったり……とからだの変化も感じるようになってきたCHICOさんが、具体的にどのようにゆらぎと付き合っているのか聞いてみました。
無理に頑張って、エネルギーの無駄づかいをしない
「仕事や家庭のことを止めるわけではないけれど、無理しないとできないことはやらないようになりました。私たちって気づかずに“エネルギーの無駄づかい”をしていることが多い気がするんです。30代は、人生の基盤を築くために必死だったと思うんです。私自身も、起きたら即メールチェックをして……という仕事中心の生活でした。でもそれが楽しかったし、そのときは必要だった。40代って社会的な責任が増えて、お子さんがいる方はその成長と向き合っていく大変な時期。だから意外と不調の原因ってからだの変化だけではなかったりするんですよね。一生懸命やっていることを無駄だと思いたくないけれど、40代は50代に向けて少しずつ、今までの頑張ってきた努力やプレッシャーというリュックサックを降ろしてエンジョイしていいと思うんです。人生のステージによって、大切なことも変わるから、本当に必要なことなのか? を見極めて取捨選択してほしい。私も家族以外のコミュニケーションも、かなりミニマムになりました」。
瞑想をする
「きっかけは、不調で悩んでいるときにたまたま開いたLINEのメッセージでした。2年以上連絡を取っていなかった人へアクセスしようとトークルームを開いたら“私たちには、魂に必要なことしか起こらない”という言葉があって。それがすごくしっくりきて、なんだかホッと腑に落ちたというか。いい意味であきらめがついた。人からもらった言葉で気持ちがかなりラクになったから、そんな状態を自分で作れないかな? と、その日に思いついて瞑想を始めてみたんです。そしたら……それはそれは気持ちがよくて! それから今日まで、私の生活のルーティンになりました。もちろん気持ちのアップダウンはあるけれど、ニュートラルな心で眠れるようになったし、瞑想中にワーッと負の感情が現れても冷静に“そういうこともある”と受け止められるように。精神面だけでなく、太りやすくなったり、最近ではホットフラッシュがあったりと、40代後半からはからだの不調がより出てきたけれど、自分自身がニュートラルになる方法を知っていると、その不調に影響されずに過ごせるようになりました」
「自分自身の処方箋を知ると、気持ちの50%くらいはラクになれると思うんです。私の場合はそれが瞑想だったけれど、誰かの解決法が自分の解決法ではないかもしれない。それをしている自分の姿が想像できる、自分のムードにフィットする解決法をぜひ見つけてください」
photograph:nae.jay text:HIROKA AMANO