ボッテガ・ヴェネタをまとう桜井ユキ。スタイリスト長澤実香「信念を持ちながら、気負い過ぎてもいない、粋な女性という印象」
MIKA’S POINT OF VIEW
洋服のアトモスフィアを感じながら「演じる」ことのできる表現者
長澤実香の視点
ユキさんとご一緒したのは、今回が2度目。前回は約3年前だったのですが、どこか不思議な存在感が心に残っていました。私の印象は、潔くて、独特の色気のある人。「私は私」という信念を持ちながら、気負い過ぎてもいない、粋な女性というイメージです。演じている姿を見ても、役が憑依するような怪演ぶりに、自分のリミットを外せる度量があるというか、高い壁をピョンと越えられる勇気と無邪気さとを兼ね備えた人なんじゃないかなと思ったのです。
そんな彼女に着てほしい服として選んだボッテガ・ヴェネタは、イントレチャートを筆頭に、高いクラフツマンシップを礎にしながら、常に新たな可能性を追求し続けているブランド。それを象徴していると思ったのが、2022年の秋冬に登場した、しなやかなレザーにデニムプリントを転写したパンツで、「この技術と発想はすごい!」と感激。既成概念を打ち破り、不可能を可能にしていく精神こそが、ボッテガ・ヴェネタの真髄。その姿勢が、ユキさんの在り方とどこかオーバーラップするような気がして。
実際、撮影で着てもらい、洋服の温度を感じながら「演じる」姿を見て、ユキさんは、単に洋服を着るのではなく、その先にある「スタイル」を表現していると思いました。ボッテガ・ヴェネタの服を瞬時に、軽々と「自分のもの」にした彼女は、やはり素晴らしい表現者だと思うのです。
direction & styling :MIKA NAGASAWA
hair:YUKI YANASE
make-up:TAMAYO YAMAMOTO
text: MIWAKO YUZAWA
otona MUSE 2025年2月号より
EDITOR
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