【Hello Femtech】これぞミューズ世代の新常識!膣まわりのケアでもっと美しく
生まれたときから共に過ごし、これからも付き合いが続いていく膣。とても繊細で、大切にしなければならない部分だからこそ、構造や扱い方も知っておかなければなりません。そこで、長年デリケートゾーンケアの大切さを啓蒙する、植物療法士・森田敦子さんにお話を伺いました。
膣まわりのケアをする前に
自分の膣を見る&知ることから
今でこそ、フェムテック市場が広がりを見せていますが、そのプロダクトやサービスの効果効能が十分に発揮されるには、膣まわりケアの基本を知ることが先決。そこで、森田さんにまずは基本の“キ”を伺います。
「デリケートゾーンケアの基本を学ぶ前に、まず私たちが知らなければいけない基礎中の基礎が、膣まわりの構造や仕組み。膣や尿道、肛門を含む膣まわりは、大切な臓器のひとつであり、不要なものを排泄する場所。特に膣は、毎月の生理と付き合う部分でもありますし、パートナーとの愛を確かめ、新しい生命を生み出す道でもあります。そんな繊細で偉大な膣まわりを、触れたり見たことはありますか? 大きめの鏡を用意して、自分の形や色、大きさなどをじっくり観察してみましょう。そして清潔な手で触れて、指先でその感触を確かめ、触れられたときにどう感じるのか、膣は潤っているのか、乾燥しているのかを確認してみてください。決してグロテスクな部分ではないですし、いやらしいことでもありません。体調や年齢とともに、色や形、状態は変化します。だからこそ、自分の膣の形はこういうふうになっているのか、こんな色なのか、粘液はこんな状態なのかとベースを把握しておきましょう。ひとりひとり違って当たり前で、誰かと比べる必要もありません。ただ、膣と向き合うことで、ちょっとした変化をキャッチしやすくなりますし、自分自身を知るきっかけにも繋がります」
「そして、できることならば、VIO脱毛を視野に入れてほしいと思っています。なぜなら、アンダーヘアはないほうが清潔であり、ケアもしやすいから。膣まわりはただでさえ汗腺が多く、蒸れやすい場所。毛があることで汚れも絡まりやすいので、将来介護される側になったとき、オムツをはく立場になったときを見据えた上でも、ない方が圧倒的に楽といえます。全ての毛をなくすことに抵抗がある場合は、IOだけ脱毛するという手も。今では、脱毛もさまざまな方法が増えているので、自分に合ったスタイルを選択できますよ」
清潔にする・保湿する・ほぐす・
鍛えるのがフェムケアの基本
膣まわりの基礎を知ったら、今度こそデリケートゾーンケアの基本をお勉強。
「ケア方法は大きく分けて、清潔にすること、保湿をすること、ほぐすこと、そして鍛えることの4つ。まず清潔にすること=専用ソープで洗うこと。膣まわりはからだとはpH値が異なります。普段使うボディソープではとても刺激が強く、乾燥などのトラブルを引き起こす原因に。さらに膣まわりに溜まりやすい恥垢は、脂性の汚れでお湯だけではなかなか落ちにくいため、専用ソープが必要なのです。膣の中は自浄作用があるため、触れなくてOK。外側の大陰唇と小陰唇、クリトリスやひだ、それらの間や裏側を丁寧に洗いましょう」
「そして、お風呂上がりはスキンケアやからだを拭くよりも、まず膣まわりの保湿が先。なぜなら膣まわりは角層がないため乾燥しやすく、放っておくとシワシワになりやすい部分。顔と同じようにケアを習慣づけていきましょう」
「黒ずみが気になる場合はこの保湿ケアを、ブライトニング効果を持つプロダクトに切り替えるのもオススメ。摩擦は黒ずみを生む原因なので、トイレの際はゴシゴシ拭かず、トイレットペーパーで優しくおさえるなど、普段当たり前にしている行動の意識を変えることも大切です」
「保湿ケアに慣れたら、オイルマッサージにもチャレンジ。清潔な指先にオイルを取り、大陰唇や小陰唇、膣口まわりにオイルを塗り込みながらほぐします。オイルマッサージは、婦人科医の松峯寿美先生にもアドバイスいただいているので是非トライしてみてください。マッサージ効果で新陳代謝がよくなり、保湿をしながらふっくら弾力のある肌へと導きます。膣は経皮吸収のしやすい部分なので、オイルは植物性のナチュラルなものが絶対。デリケートゾーン用オイルでもいいですし、アプリコットやマンゴー、マカデミアナッツなどの種子から取れるオイルは膣粘液と親和性が高く、肌とのなじみは抜群です」
いかがでしたか? 次回はフェムケアの基本、清潔にする・保湿する・ほぐす・鍛えるの「鍛える」にフォーカスして、日々の生活で私たちが膣のためにできることをご紹介します。
illustration:YUMIKO COMUKAI / text:EMI TANIGUCHI
otonaMUSE 2022年7月号より