BEAUTY

「なぜ人は老けるの?」ゴッドハンドと名高いドクターたちがアンサー。【オトナのための美容医療基本のキ】

顔の至る所に生じる年齢相応の“サイン”をなんとかしたいけれど、美容医療を取り入れるのは勇気がいる……。そんなミューズ世代に向けて、美容医療との上手なお付き合いの仕方をレクチャーします。まずは「なぜ人は老けるのか?」そのメカニズムを専門のドクター4名に伺いました。

気になったときが始めどき。
上手に取り入れて、なりたいキレイを目指して

毛穴が目立ってきたり、シミが濃くなったり、輪郭がぼやけてきたり、小ジワが増えたり、ほうれい線が濃くなったり……。30代後半に差し掛かるころから、お肌の悩みは増え続ける一方。ざっと挙げるだけでもこんなに出てきて、「これまではセルフケアでなんとかなったのに、もう無理かもしれない……」と痛感する機会が増えましたよね。 そんなとき、ドアをノックしてみてほしいのが美容医療。最近は、SNS広告やCMでも目にする機会が増えて、以前よりぐっと身近な存在になってきました。とはいえ、未体験の方からは、クリニックの数が多過ぎて、どこに駆け込んだらいいのかわからないという悩みがちらほら。さらに、「仕上がりが不自然になりそう」「費用がものすごくかさみそう」「レーザーや注射の施術が痛そうで怖い……」などネガティブなイメージを抱いている人も少なくないようです。でも、そんなふうに怖がっているだけじゃもったいない! 正しい知識を頭に入れて、今の自分に必要な施術を取り入れさえすれば、美容医療は“自分が好きな自分”でいられる時間を増やしてくれる大人の味方でもあるのです。 時間の流れは誰の前でも平等。だから、決して止めることはできないけれど、適宜、プロの手を借りることでその年齢でベストな“キレイ”を追求することができたら、自分に自信が持てて、おしゃれの幅がグッと広がる。毎日がもっとずっと楽しくなりそうですよね。 そこで今回は、初心者でも安心してトライできる基本の“キ”から、お悩み別の具体策まで、ミューズ世代のキレイがランクアップする美容医療の最新事情をゴッドハンドと名高いドクターたちに取材。なんとなくのイメージで食わず嫌いしてる人も、不安や疑問を解消するいいきっかけになるかもしれません。じっくり読み込んで興味が湧いたら、この冬こそ美容医療デビューしてみてはいかがでしょう?

なぜ人は老けるの?
まずは老化のメカニズムを知ろう!

一番視界に入ってくる皮膚の衰え=老化だと思いがちだけれど、実際の原因は複合的。年齢を重ねると骨が痩せ、それに伴って、骨を土台とする皮膚が下垂して顔に凹凸を形成。さらに、皮下脂肪のボリュームが減少することで顔全体がたるんで見えたり、シワが深く刻まれてしまうなど、エイジングの嫌な連鎖が加速。直視するのは辛いけれど、キレイになるためには“敵”を知ることが不可欠。きちんと理解して、正しく応戦しましょう!
骨の萎縮を解説

【骨の萎縮を解説】年齢を重ねるにつれ、日々作り替えられている骨の組織の“破壊”と“再生”のバランスが崩れ、骨の損失と後退が進行。顔の上から下に向かって進んでいくことが多く、最初におでこやこめかみがへこみ始めます。にもかかわらず目と鼻の穴の骨は開いていくという衝撃。

脂肪の萎縮を解説

【脂肪の萎縮を解説】イラストが示すとおり、顔の脂肪は複数のパーツに分かれています。加齢によって脂肪のサイズが小さくなると、下垂したり本来の位置から移動してたるみが目立ったり、パーツの境目にシワや溝が刻まれてしまう原因に。骨の萎縮も相まって、事態はどんどん深刻に。
①おでこ:上の方から骨が痩せ始め、丸みを失い、皮膚が余る。
②こめかみ:徐々にへこみ、その周辺の皮膚も垂れ下がっていく。
③目の下:垂れ下がって涙袋の下に、もうひとつふくらむ箇所が発生。
④頬の下:垂れ下がってへこむのにつられてほうれい線が深く。

スキンケアとクリニックの施術、
相乗効果でキレイは維持できるんです

保湿とUVケアを毎日きちんと継続した上で、セルフケアでは太刀打ちできないトラブルの撃退は美容クリニックに委ねるのが効率よくキレイを維持するためのベストアンサー。 「例えばレーザーでシミを取ったとしても、そのあとのセルフケアをおざなりにしたら台無し。日々、お手入れをすることで、ターンオーバーが正常な肌を育むことができるんです。美容医療はあくまでメンテナンスの一環。一度施術を受けたことにあぐらをかかないで、出た成果をいかに維持できるかを念頭におきましょう」(松倉クリニック代官山・貴子先生)

年に5回クリニックに行くとして、残りの360日はセルフケア。そう考えたら、クリニックに行かない日のお手入れが美しさの明暗を分ける意味が理解できますよね。

美容医療=リセットではありません。
定期的なメンテナンスが必要です

美容医療は決して飛び道具ではなく、これからの人生をキレイに生きるための手助けをしてくれるもの。 「当たり前ですが、日々年齢を重ねていくことには抗えないし、外出をすれば紫外線を浴びてUVダメージを受けてしまう。もちろん、セルフケアでまかなえる部分も大きいけれど、定期的に医師に診断してもらい、そのときに必要なメンテナンスをしてもらうことで、より理想の自分に近づけると思います」(松倉クリニック代官山・貴子先生)

肌は20代を目指してもいいけれど、
-5歳の顔を目指すのが自然です

日本は昔から“若さ=正義”みたいな風潮があるけれど、若さに囚われ過ぎると印象が不自然でチグハグになってしまうから、要注意。 「お肌が20代みたいにキレイなのは素晴らしいと思うんです。でも、造形は実年齢−5歳が目指すべき目標。シワ1本もない人なんて人間として明らかに不自然で、ちょっとイタく映ってしまう気がします。大人の女性の見た目には、その人の内面や経験値がそれとなく浮かぶもの。そこには年齢を積み重ねた人だからこその魅力が必ずあるので、どうしても気になる部分は美容医療に頼りつつ、時にはエイジングサインをポジティブに受け止めることも必要だと思います」(サフォクリニック・白壁聖亜先生)

エステとクリニック、目的が違います!

例えば同じ“ハイフ”でもエステと美容クリニックのそれは別物。 「まず、どの機械でもエステより医療用の方が圧倒的に出力が高い上に医療従事者の手で施術が行われるので、その分、高い効果が期待できます。ただ、エステにはダウンタイムがほぼなかったり、手技による癒やし効果が得られるというメリットも。本気でトラブルに立ち向かいたいときは美容クリニック、大切な日の直前に緊急でなんとかしたいときはエステのように、時と場合によって使い分けるのがいいかもしれません」(W CLINIC総院長・足立真由美先生)

からだの筋トレは必要ですが、
顔の筋トレはシワの原因です

適度な運動がよしとされるからだの筋肉と違って、顔の筋肉は必要以上に動かさないのが得策。 「顔の骨は皮膚と繋がっているので、顔を動かせば動かすほど皮膚が引っ張られてシワになっていくんです。日々の生活で思いきり笑ったり、むくみが気になる日にマッサージするくらいなら問題ないですが、昨今話題の顔のトレーニングをして大人が顔の筋肉を鍛えるのはちょっと考えもの。眉間や下口唇のまわりのように、下向きに引っ張られている筋肉を発達させてエイジングサインを悪目立ちさせてしまう恐れがあります。シワができるリスクも高まるのでやみくもに取り入れないように」(サフォクリニック・白壁聖亜先生)
シワができる理由を解説

【シワができる理由を解説】矢印が下を向いている部分の筋肉は、年齢を重ねるごとに下に引っ張る力が強くなるメカニズム。鍛えるより、ボトックスを打って緩めてあげることでリフトアップにつながる。

兎にも角にも、まずはカウンセリングを!

ここまでお伝えしてきた通り、エイジングの原因は複合的。 「自分では『ここが悩み』と思っているトラブルの背景に、他の原因が関与していることも大いに考えられるので、まずはカウンセリングで現状の肌や造形を医師に分析してもらうことが重要。その上で、あなたの年齢に寄り添いながら、その時点でのベストアンサーを一緒に探ってくれる先生に出会えたら、そのときは委ねていいと思います」(加藤クリニック 麻布 ANNEX・山脇考徳先生)。
クリニック選びの大切なポイント

今回お話を伺ったドクター

松倉クリニック代官山院長 貴子先生

松倉クリニック代官山院長 貴子先生
形成外科専門医・美容皮膚科医。悩みに寄り添った適切な施術とナチュラルな仕上がりに定評。スキンケアや、サプリメントの開発も手がけている。

医療法人涼葵会理事長 W CLINIC総院長 足立真由美先生

医療法人涼葵会理事長 W CLINIC総院長 足立真由美先生
形成外科医・美容皮膚科医・美容外科医。からだ本来の健やかさを追求しホリスティック医療も取り入れている。著書に『オトナの美容医療』(小社刊)。

医療法人社団 白壁会 サフォクリニック副院長 白壁聖亜先生

医療法人社団 白壁会 サフォクリニック副院長 白壁聖亜先生
美容外科医・美容皮膚科医。形成外科専門医。優しい人柄と自然で美しいたるみ治療の達人。編集部のスタッフにもファン多数。

加藤クリニック 麻布 ANNEX 院長 山脇孝徳先生

加藤クリニック 麻布 ANNEX 院長 山脇孝徳先生
形成外科専門医。客観的な視点で見たバランスの美しい顔立ちを追求した施術で、美容識者やタレントの支持も厚い。エイジングケアの天才。

いかがでしたか? 次回は、肌悩み別にライトなメニューから本格的な施術まで、ミューズ世代にオススメの治療をご紹介します。

illust:ASAMI HATTORI / text:RINA ISHIBASHI

otonaMUSE 2023年1月号より

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