BEAUTY

岡田知子さんに聞く、ミューズ世代が
目指すべき「洒落顔」とは?

私たちが求めているのはいつだって洒落顔。刻一刻と変化するトレンドのエッセンスを加えながら大人の洒落顔を導き出してくれる美のスペシャリスト、岡田知子さんに2022年の「洒落顔」の正解を伺いました。

現在進行形の自分を受け入れながら
洋服を着替えるように表情を変えられる、
軽やかなマインドが洒落顔を連れてくる

──岡田さんが思う、ミューズ世代が目指すべき洒落顔の定義を教えてください。 岡田さん ものすごく全体的な話なんですけど、私は手が何個かある人がおしゃれだと思うんです。ナチュラルでヌケ感のあるメイクがデフォルトになっていながらも、いざというシチュエーションのときにポイントをおさえてちゃんとメイクを盛ることができる人って、マインドそのものが軽やかなこともあってどんなシーンでも洒落て見えるんですよね。その日のファッションや足を運ぶシーン、会う人に合わせてサラッとメイクをアレンジできるテクニックが板についている感じ。ファンデーションを2色使いして肌の印象をコントロールできたり、ベースでもポイントメイクでも肌の質感を使い分けられたり、遊び心のあるコスメをアクセサリー感覚で取り入れられる。そんないい意味での冒険心を胸に、ミューズ世代にはいつも輝いていてほしいなって思います。 ──そのためにまずできることは? 岡田さん 顔の中でひとつはトレンドを素直に取り入れてみるのがオススメ。イマドキのコスメを前向きに取り入れることは、洒落顔を目指す上ではとても大事。「若いコの流行だから」と避けるより「私にできる使い方を探してみよう」という気持ちでスタンバイしてみてください。最近だと、カラーマスカラなんかがいい例。ちょっと前まではプレイフルなアイテムにカテゴライズされていたけど、最近ではみんなが積極的に取り入れるようになっていますよね。メイクの可能性が広がる素晴らしい現象だと思っています。 ──カラーマスカラは色の選び方も大事な気がしてしまいますが……。 岡田さん まさにその通り。濃いブルーやパープル、ディープレッドみたいに目元を印象づけてくれるものはアリなんですが、20代のファッショニスタのコたちが使っているベージュだと印象が老け込んでしまう危険性が。カラーライナーも白っぽいものは洒落感が激減するリスクが高いので「おしゃれ」と飛びつく前に熟考したいアイテムのひとつです。 ──遊び心を持つことはいくつになっても大事だけど、品がなくなるのは怖いなと感じます。 岡田さん 本当にそうですよね。大人のメイクは遠目から見て「わあ、すごいね」って思われるより、誰かと会話をする距離になったときに「なんだかすごくおしゃれだな」って洒落感のニュアンスを感じてもらえるくらいがいい塩梅なんですよ、きっと。洋服を着る前に肌に薄くスプレーしておいた香水が、誰かとすれ違った瞬間、ふわっと鼻先をくすぐるようなさり気なさが、これみよがしじゃなくてセンスいいなって思います。 メイクの大前提は自分自身がハッピーであることではあるんだけど、私たちはもう立派な大人。日々、外的環境や重力と戦い続けている肌のコンディションと向き合いながら、自分たちに合う洒落感を目指していく方が結果的にかっこよく映ると思うんです。そんな大人の洒落感を追求するために、コスメ選びの審美眼を培うことと似合わないものを潔く切り捨てる勇気は持っていてほしいですね。 年齢を重ねていくと、全部をパーフェクトにするのは難しいという事実を受け入れることも大切。これはちっともネガティブなことではありません。エイジングは誰にも平等に訪れることだから、今の自分を最大限に輝かせてくれる選択肢を増やしていくのがいいと思う。クマが悪目立ちしている朝に「コンシーラーでガッツリカバーして厚塗りの老け顔になるより、元からあるツヤや血色感を活かして、ヘルシーな表情を目指したいな」くらいの、ベースメイクもいい意味で肩の力が抜けている方が私は好き。そういうポイントさえおさえていれば、どんなメイクに挑戦するのもアリ! 今の私たちだからこその洒落顔をこの春も心の底からエンジョイしましょう。

ヘアメイクアップアーティスト・岡田知子さん/パーソナリティや年齢を鑑みながら圧倒的にスタイリッシュな顔つきを提案してくれるセンス、ロジック、手腕に惚れ込む人が続出。本誌をはじめあらゆるメディアや広告から引く手あまたの存在。

記事最上部の衣装クレジット:ジャケット¥27,940、ベスト¥19,910(共にアンクレイヴ)

いかがでしたか? 次回は岡田さんが選び抜いたマストハブアイテムと合わせて、今すぐ実践できる洒落顔メソッドをご紹介します。

photograph:SAKI OMI[io](model), KAZUKI TAKAHASHI[KONDO STUDIO] / styling:KASUMI KATO / hair & make-up:TOMOKO OKADA[TRON] / model:RENA TAKESHITA / text:RINA ISHIBASHI

otonaMUSE 2022年3月号より

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