CULTURE

FRI.07.01
2022

映画ライターの森田真帆が、ラスベガスで
生のBTSに触れて魂ごと浄化され、
性格まで良くなってしまったお話【後編】

BTSのプラチナチケットを入手し、弾丸でラスベガスへ飛んだ森田さん。本記事ではライブ本編のリポートをいよいよお届けします。では、スタート!

前編はコチラ

REX/アフロ

メンバー全員から目が離せない、生のBTS

スタジアムに響くジミンの歌声は限りなく美しくて、優しくて、力強くて、もうまた涙が。そして、生まれて初めてコンサートに参加した私が今更ながら気づいたのは、誰かがソロパートを歌っている間、待機する他のメンバーの姿まで拝めるこということ(ライブビューイングだとソロにカメラがいくものね……)。J-HOPEは元気いっぱいにリズムに乗り、SUGAはクールに、でも笑顔を浮かべながら会場を見渡し、RMはメンバーにこっそり声をかけ、グクは真剣な顔で自分の出番に向けて準備をして、ジンくんは手のテーピングがまだ痛そう。そんでもってARMYに優しい視線を送るテテちゃんは、とんでもなく美しい。そしてメンバー全員がステージに揃えば、何もかもが完璧な圧巻の歌とダンス。うわあ、これがBTSのパフォーマンスなんだな。その真剣さとひたむきさは、わたしが家でたくさん見てきた動画の中の彼らそのもので、デビュー当時からどんなに時が経ってもブレないことを確信したし、世界で一番かっこよかった。

前の日に行った写真展で、懸命にリハーサルをする彼らの写真を見ながら、「このグループのたった1人でも、ほんの一瞬モチベーションが下がったら、きっとここまですごいパフォーマンスのテンションを保てない。アンビリバボーだわ」とアメリカ人のARMYが話していたんだけど、本当にその通り。激しいダンスをしながら歌を歌った後は、会場に響く荒い息遣いにまたまた胸を打たれました。BTSのドキュメンタリーで映されていた舞台裏で倒れ込む彼らの姿を思い出し、メンバー全員が出ずっぱり、ほぼ踊りっぱなしのステージの舞台裏はどれほど過酷なのだろうと想像するだけで彼らがステージ上で命を削っている凄まじさが伝わってきて、また涙が。

毎日ヘッドホンで聞いていたあの歌声が微かなメンバーの息遣いと一緒にスタジアムに響いて、激しいダンスを目の当たりにして、そしてステージに立つ7人を見たとき、なんかもう信じられなかった。まるで宇宙人を見ちゃった感じ。コロナでどこにも行けなくて不安だった辛い日々、毎日小さなスマホの画面に写っていた7人が目の前にいて、息してんのが信じられないし、そもそもマジで存在してたんだこの人たち! っていう奇跡。

オルペンなので、挙動不審に

マジで、マジで、マジで感動しかない。初めてのコンサートはとにかく忙しくて、感動するでしょ、涙で前が見えないでしょ、でも見たいから頑張って涙こらえるでしょ。メガネ曇るでしょ。そんでもって左手のアミボム(ペンライト)振るやろ、で、右手はこの日のために機種変したiPhone13 Pro Maxで画面見ながら録画しなきゃやろ。脳も、手も全てが全然追いつかない。でも肉眼でも見たい。肉眼で見たらなぜか右手のiPhoneが下がるんよ。全然写せないのよ。きゃー!! てアミボムを振るたびに、右手のiPhoneまた下がるんよ。しかも私はオルペン(全員大好きな箱推し)だから、もう誰を見ればいいか分からなくなるんよ!

もうステージのあちこちにメンバーがいて、ジミンはあそこでスーパーカッコよく踊っているし、ホビヒョンの瞬間に繰り出す超優しい笑顔は見逃したくないし、ジンくんがメンバーを母ちゃんみたいな目で見ながら一緒にはしゃぐ長男感もずっと見ていたいし、ナムさんリアルで見ると超セクシーでかっこいいわ、SUGAがニッ笑う瞬間も見逃したくないし、グクテテの楽しそうな絡みも見たいし。あああ、マジでわたしの肉眼なんで目ん玉2個やねん! と理不尽に怒り出す始末。生の彼らも見たいし、彼らの顔をズームしているスクリーンも見たいし、混乱ですよ、混乱! 案の定、実際に家に帰って、撮りだめた動画を開いたら、自分の大歓声と共にステージを捉えていた画角は完全に急落下し、おまえどこ撮ってんねんみたいな前の人の髪の毛がひたすら写ったブレブレ動画しか残っておりませんでした。

若返りどころか、人格まで改良するライブ効果

生まれて初めてのBTSのコンサートは、ARMYの大声援も、生の歌声もトロッコに乗っているメンバーとの距離の近さも、もう全部が幸せで、BTSの声が響くこの空間にいるだけで、もう前世に犯した罪までも浄化されてなくなるんじゃねーかってくらい幸せな気持ちになりました。いつまでも終わってほしくなくて、日本に帰ってからも夢の中にいて、フワフワと雲の上にいる感覚。そうこうしているうちに、アルバムの情報は日々更新されて、ARMYとしてのワクワクは毎日が忙しいくらいに止まらなくて、40過ぎにしてこんなキャッキャと楽しい日々が送れていることがありがたく、辛いことがあるたびに、あの夢のような時間を思い出しています。

そして、次は日本のコンサートを夢見ています。アメリカのコンサートは楽しかったけど、ドーム公演のDVDを見ると、日本のファンってまとまっていて、「FOREVER WE ARE YOUNG」の大合唱があったりして。メンバーたちが思わず涙し、グクが「日本のARMYは美しい」っていう気持ちがすごくよく分かるんです。だから、今はいつになるかわからないけれど、日本でもいつか必ずコンサートが開催されることを心から願っています。

そして1人ライブ(しかもいきなりUS公演)は心細かったので、ARMYのお友達をたくさん作って、日本の会場で大合唱をしたいなあ。辛いことからこんなにも救ってくれたBTSには、本当に心から幸せでいてほしいし、「ARMY!」って幸せそうに叫ぶ7人をいつか必ず見たい! そのときまで、森田も毎日頑張ります。

森田真帆(もりたまほ)
バツ3の映画ライター。18歳で渡米し、ハリウッドの映画製作現場インターンを務めた後帰国。現在、シネマトゥデイなどの映画サイトで執筆のかたわら、大分県・別府ブルーバード劇場で館長補佐を務める。著書に『崖っぷちのハリウッドライフ』(シネマトゥデイ文庫 発売中)。Twitter @mahomorita

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