よしひろさん、「昨日なに観た?」
『2034 今そこにある未来』
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。
『2034 今そこにある未来』
★選挙ってそんなに大事? と思ってる方へ★
なんやかやの選挙シーズン。なんとなーく投票しちゃう人、関心ないからスルーしちゃう人。けっこういらっしゃると思います。がしかーし! 無関心でいることで恐ろしいことが起きるんですよ。2019年のイギリスのドラマ『2034 今そこにある未来』を昨日見直したんだけど、いやマジ今観ないとダメなドラマでしたの。
EU離脱後のイギリスと世界がどうなるか、ってことを、フツーの一家族、ライオンズ家の面々を中心に描いてるんだけど、まーこれが……。よくもまあEU離脱を決めたばっかりのときに製作~放送できたわ、ってくらいブラックかつリアルで、イギリスらしい皮肉なユーモアの連発。金融破綻に始まり、異常気象、伝染病の蔓延、政情不安、マイノリティの差別などなど。ちょっとずつ社会の歯車が狂い始めても、その中で暮らしてる一般市民のほとんどは社会にも政治にも興味がなくて、「まぁこんなもんじゃないの?」って楽観してるのね。でも、いよいよ日常が崩れたときにはもう遅い! んまーテンポよく、今ある社会不安や社会問題を加速させて、「いまのあたしら、マジでヤバいんじゃない?」と思わせるドラマなんすわ。
1エピソード約1時間、全6話のミニシリーズだから一気に観られるし、毎話必ず「え!?」っていうところで終わるから、観たい衝動を止められないの。スターチャンネル独占コンテンツなので、スターチャンネル加入者向けの配信サービスか、Amazon Prime Videoの別料金プランでしか観られないんだけど、コストをかけても今見るべきドラマよ。ソッコーでどうぞ!
よしひろまさみち
オトナミューズのカルチャーページ編集担当&映画ライター。おバカなコメディからおマジメ社会派まで幅広くカバー。ほんとにおもろいもんしか紹介しません。