【シネマミューズ】
よしひろさんが薦める
7月のマストな映画4本!
映画ライター、当コーナーの担当編集者、よしひろまさみちが、今月もマストな映画情報をモリモリお届けします〜。
01
ジェーン・オースティンの名作が
LGBTQ+設定に
『ファイアー・アイランド』
ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』は、ラブロマンスの傑作として、何度も映画やドラマになってます。が、この発想はなかった! と思ってしまったのが、ディズニープラス「スター」で独占配信された映画『ファイアー・アイランド』。なんと主人公はゲイ。舞台は米東海岸LGBTQ+コミュニティのリゾート地、ファイアー・アイランドという設定。
これまでの映画化だと忠実に男女設定だったところを、パリピなゲイにしたことで、名作古典が今を生きる人に響く作品になりました。夏のリゾートを楽しむアジア系ゲイの主人公が、高慢な白人イケメンと出会ったことで分かる愛と恋とアソビの違い。そこに、あけすけなパリピ的ナイトライフの面白さをプラスしてるの。今後、オトナミューズ公式ウェブで監督やキャストのインタビューも掲載予定なので、まずはご覧くださいませ〜。
02
A級スターが大まじめに
コメディを作るとこうなります
『ザ・ロストシティ』
一見アドベンチャー大作だけど、じつは超絶笑えるコメディの『ザ・ロストシティ』。コロナ禍に公開された映画ってどことなく難しめで考えさせられるものが多かったけど、これを観たら「あぁ、映画で笑うってこういうことだったわ!」と思い出させてくれます。なんといってもすごいのは、サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、そしてブラッド・ピットという豪華過ぎるハリウッドA級スターが、大まじめに捨て身のコメディに取り組んでること。5分後に何が起きるか分からない、先の読めないストーリーも相まって、最高の興奮を味わえますよ。
03
PTAファンの方、お待たせしました
『リコリス・ピザ』
名監督PTAことポール・トーマス・アンダーソンの最新作にして、今年のアカデミー賞候補にもなった『リコリス・ピザ』がついに公開。これまでのPTA作品って、ズ〜ンと重めで、かなりな映画ファンじゃないとついていけねー、って作品が多かったけど、今回はなんと青春映画なんですよ。子役スターが大人の女性に恋をするも、彼女は塩対応。でも、彼女は芸能界で身を立てている彼のことが次第に気になり始め……っていうお話。あれ? PTAってこんな軽やかなもの作れたの!? と、新たな一面を感じられますよ〜。
04
アレがまさかの
フランス・リメイクです
『キャメラを止めるな!』
2017年に異例の大ヒットを記録した自主制作映画『カメラを止めるな!』。アレがなんとフランスでリメイク。しかも、監督はまさかの『アーティスト』(2011年)で第84回アカデミー賞の5部門を制したオスカー監督ミシェル・アザナヴィシウストとな! 驚きの大出世となった“カメ止め”は、5月に開催されたカンヌ国際映画祭でお披露目されて大好評。日本版の劇中で異彩を放っていた、竹原芳子さんが演じるプロデューサーも本作に登場します。爆笑の準備を。
selection&text:MASAMICHI YOSHIHIRO