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【現地写真レポ】W杯カタール大会 日本対ドイツ戦をサッカーに詳しくないオトナでも楽しく振り返ってみよう

【現地レポ】サッカーW杯カタール大会 日本対ドイツ戦を詳しくないオトナでも楽しく振り返ってみよう
2022 FIFAワールドカップカタール大会が11月20日から開幕し、世界中のサッカーファンが熱狂。23日にはグループEの日本代表が優勝候補ドイツにまさかまさかの逆転の大金星! 翌日からはテレビもネットも新聞もお祭り騒ぎで、堂安律選手と浅野拓磨選手のあのゴールシーン、もう何度見たでしょうか? でも実は「起きたら勝っていてびっくりした!」な〜んて方や、「実はサッカーあまり詳しくなくて」なんて方も多いですよね。おまかせください。そんなミューズ世代の女性も話題に乗り遅れないよう、テレビには映らない裏話を、現地カタールで撮影するカメラマンの佐野美樹さんに報告してもらいました。佐野さん撮影の貴重な写真と共にお届けします。27日に行われるコスタリカ戦の前にチェック!

カタール現地の日本人記者もカメラマンも、あの瞬間は叫びました

日本対ドイツ戦の日本選手団の円陣
――ドイツに勝って、日本はお祭り騒ぎですよ! 佐野 こちらも大興奮だったよー! ゴールシーンでは、カメラマンはみんな「おぉー!!」と叫びながらシャッターを切っていたし、いつもは冷静にメモを取っている記者の人たちも、あの試合だけはみんなガッツボーズをして喜んでいたらしい(笑)。ず〜っとみんなで「やばいね、やばいね」って言いながら喜び合っていた。 ――失礼ながら、よくて引き分けだと思っていました。勝てたのは、何が大きかったでしょう? 佐野 う〜ん。ひとつは、今回のスタメンはほとんどの選手が現在海外でプレーしていることが大きいのかなと思っている。前半はドイツの選手をリスペクトし過ぎていて、うまくいかないところも多かったけど、後半はだいぶ変わってきて。ドイツでプレーしている選手も多いし、普段から外国人選手たちと戦っているので、海外での経験値が大きかったんじゃないかな。 ――大会前は森保一監督の采配に疑問を言う人が多かったけど、ドイツ戦後は「ごめんなさい」みたいなツイートもいっぱいあふれてましたね(笑)。 佐野 森保さんは真面目なんです(笑)! 記者会見のときも必ず最初に「サポーターの皆さん、スタッフの人たちに感謝しています」って言うし、采配もコメントも真面目だから、つい「面白くない」と思われちゃう。だけど、私はずっとブレない人という印象。
森保一(もりやす はじめ)監督

森保一(もりやす はじめ)監督。後半の神采配スゴかったですねー!

ドイツ戦勝利後、笑顔がこぼれる森保監督

ドイツ戦勝利後、笑顔がこぼれる森保監督。

――ご本人は「辞めろ」的なコメントには気づいていたんですかね。 佐野 多分ね。ただ、あぁ見えて、本人は全く気にしていなくて。めちゃくちゃメンタル強いんですよ(笑)。あと、口では優しいことを言うけれど、ものすごく現実主義。「なぁなぁでやっている」と叩かれたこともあったけれど、決めるときは決めるし、勝負に徹する監督。一方で、選手に寄り添う人格者でもあるので、ベテラン選手たちは森保監督に勝たせてあげたいという気持ちが強かったと思うよ〜。 ――ベテランと言えば、今回長友選手が髪を真っ赤に染めて、試合のときもめちゃくちゃテンションが高くてびっくり!
赤髪の長友

ドイツ戦での長友佑都選手。36歳、赤髪のベテランから目が離せませんよね。

ドーハ到着後の練習中の長友選手

こちらがドーハ到着後の練習中の長友選手。ほんとだ! まだ金髪だ!

佐野 試合前、選手たちはピッチでアップをするんだけど、そのときにサポーターをまっさきに煽っていたのが長友選手だったの。 ――試合前からテンション高かったんですね。 佐野 ただこれは長友選手が自分の役割に徹して、率先してやっていたんじゃないかと思っていて。というのも、今回のメンバーは東京五輪で日本代表だったU23世代が半分ぐらい選ばれているんだけど、世代なのか、大人しいコばかりなのよ。 ――Z世代の選手たちのキャラクターなんですね。 佐野 五輪前の練習に取材に行ったときも、若い選手たちはぜんぜん声を出していなくて、唯一声を出しているのはコーチぐらい。A代表や世界とあまりにも違って静かだから、森保監督に思わず聞いちゃった。サッカーで声を出さないというのは、相手にボールやプレーを要求をしないということだから、彼らはどうやってコミュニケーションを取るのかな?と不思議だったんだよね。
Z世代の選手たち
ドイツ戦前、練習する上田選手、富安選手
ドーハ到着後のサッカー日本代表の練習風景
――確かにみんなピッチでも声出していますもんね。 佐野 だからそういう雰囲気を変えようと、長友選手がハッパをかける意味で声を出していたんじゃないかなと思うの。先輩が声を出しているのを見たら、若い選手たちも「大声を出していいんだ」と思うじゃない? 実際、試合前に長友選手がサポーターを大声で煽ったことで、若い選手たちも長友選手に続いて、声を出すようになって。大きな大会って、冷静さはもちろん必要だけれど、声を出して高揚感を高めることも大切なんだよね。長友選手はもともと明るい性格だし「ベテランの俺がやるしかない!」って思っていたんじゃないかなって。 ――なるほど、あのテンションにはそういう意味があったんですね佐野 そういう意味で長友選手の働きは大きかったと思う。試合の終盤は選手たちがベンチから立ち上がって、大声でピッチの選手たちを鼓舞していたし、ゴールが決まったときや試合終了時もあそこまで、選手たちが雪崩れて駆け寄るのって珍しい。いいチームワークができているんだなと感じたよね。あと前回のロシアW杯の1試合目のとき、強敵コロンビアに勝ったんだけど、試合終了後に選手たちはピッチで手を叩いて終わりだったの。 ――普通は違うもの? 佐野 うん。他の国だとサポーターのところに駆け寄って、一緒に喜びを分かち合ってから帰るんだよね。だけどあのときは、そういうことを全然やらなかったから「なんでやらないんだろう?」って、正直スカしているようにも見えたんだよね。それが今回は報道陣に囲まれてぐちゃぐちゃになりながら、サポーターのところまで駆け寄って、感情を爆発させていた。ああいうところからもチームのまとまりを感じたし、この勝利を一緒に分かち合ったことで、さらに結束が高まるんじゃないかなと期待している。
練習中に鎌田大地選手の隣で不思議なポーズを見せる長友選手

鎌田選手と長友選手の練習中の和やかな表情。ボール回しも楽しそうに盛り上がってました。

長友選手の先導でよ~く声が出ていた現地サポーターたち

長友選手の先導でよ~く声が出ていた現地サポーターたち。うらやましいぞ。

キャプテン吉田麻也選手と南野拓実選手

喜びを分かち合う、キャプテン吉田麻也選手と途中出場から結果残しまくりの南野拓実選手。

大活躍だった板倉滉選手

大活躍だった板倉滉選手の「よっしゃー!」の表情、いただきました!

――コスタリカ戦での注目選手は? 佐野 これはめちゃくちゃ個人的な注目なんだけど(笑)、相馬勇紀選手。名古屋グランパスに所属していて、多分一番背が低くて、色白で可愛らしい顔をしているの。しかも彼って、誰かがゴールを決めると、めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔で、誰よりも早く駆け寄って選手に抱きつくのよ。誰に対しても思い切り抱きつきに行く、その姿がめっちゃ可愛くて! コスタリカ戦に出場する可能性もあるので、ぜひ相馬選手の喜び方を見てほしい!  
右から走り込んできているのが背番号24番、相馬勇紀選手です。

右から走り込んできているのが背番号24番、相馬勇紀選手です。

おお、ほんとだ。中央で板倉選手に今抱きつこうとしていますね。

おお、ほんとだ。中央で板倉選手に今抱きつこうとしていますね。

堂安律選手にバックハグをかまそうとする相馬勇紀選手

同点ゴールをぶち込んでくださった背番号8、堂安律選手にバックハグをかまそうとする相馬勇紀選手がこちらになります。

――そのためには、27日のコスタリカ戦もゴールを決めてもらわないと! 佐野 だよね! ではコスタリカ戦に行ってきます!

Photograph:MIKI SANO
Text:JUNKO HAYASHIDA

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