今月のシネマミューズは2022年のマーベル劇場作品のラストを飾る『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』主演のレティーシャ・ライト!
MCU区切りの作品です
スーパーヒーロー映画といえば、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。そんなMCUのキャラのなかでも特に人気があるブラックパンサーは、単体ヒーロー映画としての第2弾『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が公開中です。
主人公を演じたチャドウィックボーズマンが他界して2年、いったいどうやって続編に挑んだのか。本作の主演でブラックパンサーの妹シュリ役を演じたレティーシャ・ライトに聞きました。
「チャドウィックがいないのに、この作品のことを想像するのは難しいことだったわ。監督から電話が来たとき、“チャドウィックは私たちにこの作品を続けてほしいと思っているはずだ”と聞かされたの。きっと天国でチャドウィックが“人々にインスピレーションを与え続けるんだ。前進しなければだめだ”と言っているに違いないという思いは、私たち全員が持っていたわ。最初は辛かったけれど、監督はこの続編でどのようにしてチャドウィックに敬意を払うのか、ファミリーとして私たちが作り上げたものにどうやって敬意を払うのかを説明してくれたわ」
故人をCGによって再現するのは簡単なこと。だけど、本作ではそれを全くせずに、物語を構築しているのが特徴。チャドウィックが演じたブラックパンサーが亡くなったということから物語が始まるのだから。そして彼女が演じたシュリは、兄を失った哀しみから立ち直れず、プリンセスとしての葛藤に苦しむことに。
「シュリをどうやって進化させるべきかを自分の中で処理することが挑戦だった。前作での彼女のミッションははっきりしていて、物を作り出したり新しいテクノロジーを発明したりすること、そしてその場の雰囲気を明るくしてくれる存在だったこと。だけど本作のシュリはいろいろな経験をしてしまったせいで、それをすることができないの。彼女は単に兄の死を悲しんでいるだけでなく、母娘関係でも苦しんでいる。悲しみの最前線にいる2人の女性が、ワカンダのために力を合わせて知恵を出し合い、お互いを励まし合いながら前に進むすべを見出そうとしているのよ。家族、守ること、愛、思いやり、その全てがひとつになったテーマをこの映画には見ることができるわ」
MCUが独自に掲げる作品群の段階「フェーズ」において、この作品はフェーズ4の最終作。ここで何かが終わり、ここから何かが始まる。そんな大きな区切りの作品だけに見逃さないで!
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
text:MASAMICHI YOSHIHIRO
photo:©︎2022 Ramona Rosales. All rights Reserved.
otona MUSE 2023年1月号より