CULTURE

今月のシネマミューズは? ハリウッドの現場裏側を描いた超大作『バビロン』主演のマーゴット・ロビー!

バビロンのヒロインを演じるマーゴットロビー

Margot Robbie _1990年7月2日、オーストラリア生まれ。2011年のドラマ『PANAM/パンナム』で注目され、13年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でブレイク。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017年)ではプロデュースも兼任し、アカデミー賞主演女優賞候補に。

ハリウッドの現場裏側を描いた超大作!
『バビロン』

3月12日(現地時間)に行われる第95回アカデミー賞授賞式。通常モードに戻る予定の華やかな授賞式のなか、おそらくこの映画とキャストが一番ゴージャスにきらめくだろう、とされているのが『バビロン』。『ラ・ラ・ランド』(2016年)のデイミアン・チャゼル監督最新作にして、サイレント映画からトーキー映画へ移行する混迷のハリウッドを舞台にした大作だ。「この作品は、あの時代の破天荒で放蕩なワイルドさを描いた初めての映画よ」というのは、ヒロインのネリーを演じたマーゴット・ロ ビー。 「1920年代を描いた映画はたくさんあって、どれもとても洗練されていておしゃれで、きちんとしていて......っていうイメージだったでしょ。でも、実際は違ったのよね。私もリサーチをしてビックリしたのよ。めちゃくちゃワイルドでカオス。その本当のところを描き出しているの。私が演じたネリーはハリウッドに憧れてるけど、なんのコネもない女性。パーティに潜り込んで、なんとしても大スターになってやる、という野心を持っているの」 ネリーはパーティをきっかけに役をゲットし、あれよあれよという間に大スターに。これこそアメリカン・ドリーム、という成り上がりっぷりを見せる。が、その現場にも驚いたそう。「サイレント映画の時代の撮影は信じられないことばかり。音を録らないから、雑音だらけの白昼の砂漠で撮影が行われていたってだけでも驚きよ。この映画では、その後訪れたトーキー映画の撮影現場の苦労も描かれるんだけど、そっちはそっちでやり方が確立していないからめちゃくちゃ。セットではとにかく静かにしていないといけないのに、スタジオが隣接していて、同時に何作品も撮影されてたんですって。本当にカオスだわ」
バビロンに出演するブラットピット
共演したブラッド・ピットはサイレント時代の銀幕のスター役。そんな彼との現場は「全てにおいて特別だった」と振り返る。「ブラッドはこの映画で異彩を放っているわ。特に素晴らしいのは、スター俳優がスター俳優を演じているのを見られるというところよ。まるで何かの舞台裏を見ているような気持ちになるはず。彼の演じたジャックは、他のキャラクターと比べ、はっきりと物を言うんだけど、それは監督が普段から映画業界に対して思っていることでもあり、ある種、私たちも皆感じていること。それが、本作の特別なところなのよ」
映画「バビロン」シーン

『バビロン』
story 1920年代。映画界が大フィーバーしているハリウッドで、なんとか映画産業に食い込もうとやってきたマニー(D・カルバ)は、あるパーティで俳優の卵ネリー(M・ロビー)と大スターのジャック(B・ピット)に出会う。やがて、マニーはジャックの付き人になり、ネリーは一気に人気俳優に。ところが、サイレントの時代が終わるとともに彼らの人生は大きく変わっていく。
監督:デイミアン・チャゼル/出演:ディエゴ・カルバ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロ ビー、トビー・マグワイア、オリヴィア・ワイルドほか/配給:東和ピクチャーズ/公開:2月10日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

text:MASAMICHI YOSHIHIRO 

otona MUSE 2023年3月号より

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