CULTURE

よしひろさん、「昨日なに観た?」
『TAR/ター』

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ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

『TAR/ター』

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監督:トッド・フィールド/出演:ケイト・ブランシェット、ニーナ・ホス、ノエミ・メルラン、マーク・ストロング ほか/配給:ギャガ/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか、全国ロードショー中 ©2022 FOCUS FEATURES LLC.

★重めの映画がお好きな方へ★

 

現在絶賛組&答えをクレクレ団で真っ二つに分かれている『TAR/ター』。アカデミー賞に6部門ノミネートされたのに、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の勢いに勝てず無冠だった傑作よ。1月くらいまではケイト姐さまことケイト・ブランシェットの主演女優賞は手堅いって思ってたんだけどねー。というか、もうね、これはケイト姐さんを愛でるための重量級映画なの! ということで、おわかり鑑賞。


ストーリーはググって。要は頂点極めた権力者の転落劇。なんだけどー、それだけじゃないのよー。ケイト姐さん演じるリディアが、超コンサバな業界のクラシック音楽界で、レズビアン女性が頂点を極めたっていう設定がうまいのよね。そもそも世界的交響楽団の首席指揮者としてはマイノリティの女性、しかもビアンさん。転落ってことは、足を引っ張る人がわんさか、って感じがするでしょ? でも、キャリアもプライベートもパーフェクトで、才能も唯一無二。もはや神様級の崇められ方なのよ。それでも落ちるって理由は、彼女自身のおごりと権力欲にあり。

 

前半はリディアがどんだけすげー人なのかを描いてアゲアゲなのに、中盤から突然不穏なスリラー調。彼女自身の失敗が原因で、じわじわと彼女が不安に陥るのね。それがもースリラーというかホラー。権力と責任の大きさに比例して、そこから落ちる恐怖ってのは大きくなるものなのよね……。マジコワ。ヒトコワ。で・も・ね。最初にいったとおり「答えをクレクレ団」がいるってことは、結末が分かりにくいの。そこは観てからのお楽しみ。監督曰く、答えは観客に委ねますってことでしたので、敢えてあたしの解釈をいいますと、ハッピーエンドです。

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リディアのパートナー、シャロンは楽団のコンサートミストレス(この設定も後半の波乱の元)。

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チェロのソリスト選びで色ボケ発生。

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リディアのパトロン。彼女の才能に猛烈な嫉妬中。

ケイト•ブランシェットのインタビューはコチラ

よしひろまさみち オトナミューズのカルチャーページ編集担当&映画ライター。おバカなコメディからおマジメ社会派まで幅広くカバー。ほんとにおもろいもんしか紹介しません。

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