CULTURE

よしひろさん、「きのう何観た?
『CLOSE/クロース』

クロース

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

『CLOSE/クロース』

クロース

監督:ルーカス・ドン/出演:エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ ほか/配給:クロックワークス、STAR CHANNEL MOVIES/公開:現在、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー中 © Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022

★是枝監督の『怪物』を観てモヤった方へ★

 

6月に公開された是枝裕和監督の『怪物』。話題になりましたよね〜。ご覧になって、ちょっとモヤっとした方。特に第3幕で何が起きていたか、ちょっと分からな〜い、という方。こちらの作品をご覧くださいましな。本年度アカデミー賞国際長編映画賞候補になったベルギー代表『CLOSE/クロース』は、あのパートだけを抽出して煮詰めたような傑作ですの。ということで、とても尊い映画なのであたすもおかわり。


内容はググって。なにがすごいって、これ、監督の実体験がちょっと含まれているってこと。子ども、それもローティーンってお友達との距離感がとりにくいし、ましてやセクシュアリティのゆらぎだって当たり前。その一方で、その世代は「言葉が刃」。思ったことを少ない語彙で表現しちゃうもんだから、大人のような建前的なことは言えないわけですよ。


そこで重要になるのは、主人公のレオくん、レミくんの親ね。彼らはレオくんとレミくんが仲良しなことをなんも気にしてないし、なんならこのままズッ友でいいじゃんと思っている人たち。対して、その姿こそ出てこないものの、彼らのクラスメイトの親はどうだったか、ってことを考えてもらいたいのよ〜。これ、要は子どもの問題じゃなくて、大人の問題。それが分かると、『怪物』もかなり解像度高くなるわよ〜。

 

レオくん。尊い美しさ……

レミくん。この子は存在が尊いの

結局は大人の問題、ってこと、分かりましてよ

よしひろまさみち
オトナミューズのカルチャーページ編集担当&映画ライター。おバカなコメディからおマジメ社会派まで幅広くカバー。ほんとにおもろいもんしか紹介しません。

CULTURE TOP

SHARE

  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

Pickup

Weekly ranking

VIEW MORE