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よしひろまさみち

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2023年の日本映画トップクラスの傑作。『正欲』を観るべし!【よしひろまさみち】

制欲

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『正欲』

story 不登校の息子がYouTuberデビューし、不満を抱える検事の啓喜(稲垣吾郎)。人付き合いが苦手な夏月(新垣結衣)。男性に恐怖心を抱く大学生・八重子(東野絢香)など。人知れず悩みを抱える人々の人生が、ある事件をきっかけに交錯する。

監督:岸善幸/出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香 ほか/配給:ビターズ・エンド/公開:現在、TOHOシネマズ ほか全国ロードショー中©2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会

★屈折した愛がお好きな方へ★

今年の日本映画の中ではトップ3のひとつに入るかな〜、ってくらいよくできた作品だったのよ、『正欲』。ってことで、おかわりしてきました。


主人公はこの人、ではなく、思い切り群像劇。中核になるのは5人かな。彼らに共通しているのは、「ちょっと人には言いにくい悩みと特性をもってます」ということね。これは観てからのお楽しみ。で、ここで問題になるのが、ダイバーシティ・インクルージョンでございます。


ダイバーシティって頭ではわかってても、形骸化してませんか? ってことを伝える映画なのね。インクルージョン=受け入れることがセットじゃないとダメ。ほれ、推し活って推しがない人からは理解されにくいじゃない。それよ。誰が何を推そうが、それはご当人だけのことですから。それを遠目に「あぁ、推しねー」と眺めるだけでは受け入れてないってことなの。自分と違うことを受け入れるのは、非常に難しいことだとは思うんだけど、全部を受け入れろとはいってないのよ。要は「うまい距離感でほっときあえばよろしい」ってこと。頭ごなしに否定してしまったり、受け入れているように見せかけたり。それがどれだけ当事者を傷つけるか。もっというと、それゆえに当事者はどんどん気持ちをこじらせていってしまうか、ってことをこの映画では考えさせられるわけです。


はぁ、長かった。で、あたしがこの作品で一番の推しはガッキー演じる夏月。めちゃくちゃ素晴らしい芝居なんですよ〜! 何度でもおかわりします。

征欲

ガッキー、すげー役よ……見たことない顔するの

吾郎さん、めちゃ神経質な役

磯村きゅん、ぶっとびの設定です

『正欲』公式稲垣吾郎さんのインタビューはコチラ

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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