2023年の日本映画トップクラスの傑作。『正欲』を観るべし!【よしひろまさみち】
![制欲](https://otonamuse.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/main_2-1-960x519.jpg)
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『正欲』
![](https://otonamuse.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/sub1-960x640.jpg)
story 不登校の息子がYouTuberデビューし、不満を抱える検事の啓喜(稲垣吾郎)。人付き合いが苦手な夏月(新垣結衣)。男性に恐怖心を抱く大学生・八重子(東野絢香)など。人知れず悩みを抱える人々の人生が、ある事件をきっかけに交錯する。
監督:岸善幸/出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香 ほか/配給:ビターズ・エンド/公開:現在、TOHOシネマズ ほか全国ロードショー中©2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会
★屈折した愛がお好きな方へ★
今年の日本映画の中ではトップ3のひとつに入るかな〜、ってくらいよくできた作品だったのよ、『正欲』。ってことで、おかわりしてきました。
主人公はこの人、ではなく、思い切り群像劇。中核になるのは5人かな。彼らに共通しているのは、「ちょっと人には言いにくい悩みと特性をもってます」ということね。これは観てからのお楽しみ。で、ここで問題になるのが、ダイバーシティ・インクルージョンでございます。
ダイバーシティって頭ではわかってても、形骸化してませんか? ってことを伝える映画なのね。インクルージョン=受け入れることがセットじゃないとダメ。ほれ、推し活って推しがない人からは理解されにくいじゃない。それよ。誰が何を推そうが、それはご当人だけのことですから。それを遠目に「あぁ、推しねー」と眺めるだけでは受け入れてないってことなの。自分と違うことを受け入れるのは、非常に難しいことだとは思うんだけど、全部を受け入れろとはいってないのよ。要は「うまい距離感でほっときあえばよろしい」ってこと。頭ごなしに否定してしまったり、受け入れているように見せかけたり。それがどれだけ当事者を傷つけるか。もっというと、それゆえに当事者はどんどん気持ちをこじらせていってしまうか、ってことをこの映画では考えさせられるわけです。
はぁ、長かった。で、あたしがこの作品で一番の推しはガッキー演じる夏月。めちゃくちゃ素晴らしい芝居なんですよ〜! 何度でもおかわりします。
![征欲](https://otonamuse.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/新垣結衣-1-960x640.jpg)
ガッキー、すげー役よ……見たことない顔するの
![](https://otonamuse.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/main_1-1-960x640.jpg)
吾郎さん、めちゃ神経質な役
![](https://otonamuse.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/磯村勇斗-960x704.jpg)
磯村きゅん、ぶっとびの設定です