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よしひろまさみち

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主演なのにセリフゼロ!? アクターズ・ショート・フィルムの話題作『撮影/鏑木真一』主演・秋山竜次さん&監督・仲里依紗さん対談【完全版】

『アクターズ・ショート・フィルム4』より「撮影/鏑木真一」主演の秋山竜次さんと初監督を務めた仲里依紗さん

WOWOWの人気企画でぴかいちの
作品のお2人にお話を聞きました

仲さん衣装:ジャケット¥86,240(メゾン ジー シモーヌ/ハイシックスティーファイブ)、中に着たトップス¥49,500(ディーゼル/ディーゼル ジャパン)、パンツ¥30,800(ベース マーク)、メガネ¥36,300(ジェントルモンスター/共にエム)、イヤリング¥17,600、リボンネックレス¥14,300、チョーカー¥17,600、両手人差し指リング[2本セット]¥15,400、右手薬指リング¥9,900、右手小指リング[2本セット]¥11,000(全てビジュー アール・アイ)、左手薬指リング¥16,500(モイラエックスメル/イノメント)

撮影:中川容邦 / スタイリスト:黒瀬結以 (仲さん)、古澤愛(秋山さん)/ ヘア&メイク:本岡明浩

俳優が25分以内の短編映画を監督する、WOWOWで恒例の企画『アクターズ・ショート・フィルム』(以下ASF)。アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を目指すこの企画、回を重ねるごとにクオリティが上がっていて見応え満点。

 

そんなASFの第4弾となるASF4の一作、「撮影/鏑木真一」の仲 里依紗監督と主演を務めたロバート・秋山竜次さんの対談を全披露しちゃいます。OA中のTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』でも共演されているお2人ですが、読んでいただければすぐ分かる超仲良しさんなんですよ〜。

『アクターズ・ショート・フィルム4』より「撮影/鏑木真一」秋山竜次さん仲里依紗さん

監督としてオファーされたときどう感じました?

 

 普段、俳優として演じるだけで精いっぱいなんですよ。監督って俳優の芝居はもちろん、全てをジャッジしなきゃいけない役回りでしょ。私は、自分でジャッジするのではなく、監督から指示されたほうが向いていると思っていたんですよね。でも、お話を頂いたのはありがたいことなので、せっかくだったら面白いものを作りたいと思ったんです。それで、好きなものを全部集めてみようと思ったらこうなりました(笑)。まず第一に、秋山さんを主演にすること。それと、私が好きなジャンルがホラーやサスペンスなので、ジャンルもそれ。ただ、秋山さんはお忙しいから、きっと台詞覚える時間がないだろうな、と。だったら、秋山さんの台詞はなくしてみよう、というアイデアで企画を進めました。

 

まさかの台詞なしでしたけど、そういう配慮だったんですね。

 

秋山 好きなものだけをまとめた中に、僕が主演で入ってるなんて企画、そうそうないですよね。とにかく声をかけてくれたのが嬉しかったです。おっしゃるとおり、撮影の頃は大河ドラマとか重なってたし不安だったんですが、「対策がありますんで」って言うんですよ。何の対策だろうと思ったら台詞をゼロにする対策だったんですよね(笑)。じゃ、台詞ゼロだったらいけるかっていったらそうじゃない。僕、サスペンスもホラーもやったことないじゃないですか。大体ふざけた表情で笑いが起きるほうに逃げていたのに、ジャンルからして逃げようがない。劇中何カ所か「無」になる顔をって指示があったんですよ。無って何!?(笑)でも、仲さんの演技指導が面白くて。僕のコントを知ってくださっているんで、「『邪念ゼロ研究所』の顔で!」とかいう指示。それ仲さんと僕以外、誰も分かってないから、きっと周りの人は「あの人はなにを指導しているんだろう」って思ったはずですよ。でも僕にはわかりやすかったですね。「邪念2で」とか「1で」とか謎の演技指導が(笑)。

 

 とにかく秋山さんに出てもらいたいことが第一だったんですよ!

 

秋山 断る理由ないです。おまけに勝手に台詞なくしてくれて(笑)。

 

 撮影当日に来て頂くだけで大丈夫なんで、ってお声かけしました。

 

秋山 いやいや……それは無理ですよ。あんなの、当日行っただけじゃ。台詞ないなら楽なのかなと思ったんですけど、やっぱりお芝居ってそんなに楽じゃない。挑ませていただくと、表情だけで見せる難しさが半端ない。台詞でいつも説明してたのに、表情だけでどうすればいいんだか(笑)。僕は今まで全部コントをオーバーにやるみたいな演技しかしたことがないのに、そうじゃないリアルに怖い感じなんて備えてませんでしたから。

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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